研究課題/領域番号 |
22K08293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
中嶋 亘 日本医科大学, 医学部, 講師 (40557500)
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研究分担者 |
中道 真仁 日本医科大学, 医学部, 助教 (10837446)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 代謝リプログラミング / 薬剤耐性 / 耐性克服療法 / EGFR変異 |
研究開始時の研究の概要 |
肺がんは現在、我が国においてがんによる死因の1位でありさらなる増加が予想されている。EGFR遺伝子変異は肺腺がんの約半数を占めており、この治療薬であるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬治療は、従来の殺細胞性抗癌剤の治療と比較して予後を画期的に改善した。しかし奏功した後に多くの症例で薬剤耐性を獲得する事が報告され、再発、進行してしまうことが喫緊の課題となっている。本研究では、どのがんにでも共通する代謝リプログラミングを標的とした耐性獲得機構の一端を理解し、複数の代謝経路を標的とすることで薬剤耐性獲得の克服や、栄養状態の制御による薬剤耐性化の予防という新しい治療戦略の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
これまで、EGFR変異陽性肺腺がんにおける分子標的薬耐性獲得機構の解明と、耐性化に強く関わっている代謝適応に関する研究を行ってきた。薬剤耐性獲得には細胞内外のストレスに適応する能力の中で特に多重の代謝適応を介して悪性化を促進する「代謝リプログラミング」が重要であると考えている。(1)薬剤耐性株の作成と質量分析装置による代謝関連因子の解析 EGFR変異陽性肺腺がん細胞株を用いて分子標的薬オシメルチニブを投与し続けることで作製した薬耐性株を解析した結果、細胞毎により種々の代謝経路の活性化を介するが、共通して酸化的リン酸化を亢進することで耐性獲得に寄与していることが分かった。この酸化的リン酸化を阻害するような薬剤をオシメルチニブと同時に投与すると耐性化した細胞にも顕著な抗腫瘍効果を誘導することができた。 (2)酸化的リン酸化を規定する因子の探索 薬剤耐性株と感受性株由来のミトコンドリアを単離、精製した後、代謝関連因子の増減量の変化を質量分析装置により解析した結果、酸化的リン酸化を制御することが予測される新規候補因子をいくつか同定した。(3)特定した候補因子の薬剤耐性化への作用機序 候補因子が酸化的リン酸化をどのような分子機構で制御しているのか、特にATPを濃度依存的に可視化できるシステムを用いて検証を行ったところ、興味深い結果が得られた。 これまでの結果を、第46回日本分子生物学会年会(2022年度)にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究経過から見出した酸化的リン酸化を制御する因子を解析していくうちに、この因子ががん免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)による効果を妨げる機能をもつことが文献調査より予測された。この因子は、肺腺がんの中でとりわけEGFR変異陽性変異肺腺癌で高発現していることがわかってきた。EGFR変異陽性変異肺腺癌では免疫チェックポイント阻害薬による効果は期待できないとされてきたが、その効果を妨げているのは本研究で発見された因子による影響が考えらえた。今後は、この因子をゲノム編集でKnockoutした細胞を同種移植を用いた動物実験を行うことで検証を進めていたきたいと考えている。
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