研究課題/領域番号 |
22K08295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
岡本 安雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80293877)
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研究分担者 |
竹之内 康広 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30582233)
坪井 一人 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80346642)
北風 圭介 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80840545)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 線維化 / 脂質メディエーター / 脂質メディエーター分解酵素 / 肺線維症 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症は呼吸器疾患の中で最も予後不良な疾患で、その発症および進行メカニズムは明らかになっていないことから、新規治療法の開発は喫緊の課題である。本研究課題は、線維化促進因子と働く脂質メディエーターの分解という観点から肺線維化における脂質メディエーターの役割を明らかにすることを目的としている。また、本研究で得られる結果は、脂質メディエーター分解酵素を標的とした新しい肺線維症治療薬の基盤開発に繋がる可能性がある。
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研究実績の概要 |
「線維化肺では、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)とリゾホスファチジン酸(LPA)の分解酵素脂質リン酸ホスファターゼ3(LPP3)の発現低下がS1PとLPAの蓄積を引き起こし、線維化を促進する。」という仮説を検証するために、文部科学省新学術領域先端モデル動物支援プラットフォーム・モデル動物作製の支援をうけて、細胞・組織特異的にLPP3を高発現するマウスの作製を行った。2022年度に得られた候補マウスとマクロファージ特異的にCre組換え酵素を発現するLysM-Creマウス、あるいはII型肺胞上皮細胞特異的にCre組換え酵素を発現するSPC-Creマウスと交配し、それぞれから腹腔マクロファージおよび肺胞上皮細胞を単離し、解析した。腹腔マクロファージから得られたゲノムDNAを鋳型としてPCRを行ったところ、期待通りの長さのPCR産物が得られたことから、DNAコンストラクトがゲノムに導入されていると考えられた。また、Cre組換え酵素によりloxPに挟まれたDNA領域が除去されたことが確認できた。リアルタイムPCRを用いたRNA発現解析では、LPP3のmRNAが増加していることが確認された。ウエスタンブロッティングを用いたタンパク質発現解析では、抗LPP3 抗体および抗FLAG抗体でFLAGタグが付加されたLPP3タンパク質が高発現していることが確認できた。加えて、肺切片において、LPP3タンパク質とマクロファージマーカーの共局在を抗F4/80抗体(マクロファージマーカー)および抗FLAG抗体(FLAGタグが付加されたLPP3タンパク質を認識)を用いて、LPP3がマクロファージで特異的に発現していることが観察された。また、単離した肺胞上皮細胞においても、LPP3のmRNAが増加していることが確認された。以上の結果より、細胞・組織特異的にLPP3を高発現するマウスの作出に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に細胞・組織特異的にLPP3を高発現するマウスの作出に成功したが、マウスの作出については当初の予定より遅れ、まだ線維化モデルを用いた解析ができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に細胞・組織特異的にLPP3を高発現するマウスを作出した。今後、細胞・組織特異的、あるいは全身性にLPP3を高発現するマウスを用いて、肺線維症モデルを適応し、その表現型解析を行い、LPP3遺伝子発現を促進する方法が肺線維症に有効な治療法となるか否かを明らかにする予定である。
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