研究課題/領域番号 |
22K08298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
藤原 豊 愛知県がんセンター(研究所), がん標的治療TR分野, 研究員 (70464261)
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研究分担者 |
板橋 耕太 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (10828990)
河野 隆志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80280783)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺がん / 肺肉腫様がん / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
肺肉腫様がんは極めて予後不要な非小細胞肺癌だが、preclinicalな予備検討の結果、tumor mutation burdenが高く、CD8陽性T細胞の浸潤や腫瘍中のCD8/Treg比が高い免疫原性がわかってきた。我々は肺肉腫様癌に対するPD-1阻害薬の有効性を検証する医師主導臨床試験を2試験実施し、いずれの試験でも高い抗腫瘍効果を確認した。本研究では、PD-1阻害薬が投与された肺肉腫様癌患者の腫瘍の遺伝子発現/異常に加え、浸潤する免疫細胞のプロファイルを解析し、PD-1阻害薬の効果予測バイオマーカーの同定と、肺肉腫様癌に対する適切なprecision medicineの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
「①臨床試験登録症例の腫瘍/正常検体の集積」:NCCH1603(既治療進行・再発肺多形癌など肺肉腫様癌に対するニボルマブの単群検証的試験)と、NCCH1703(未治療進行・再発肺多形癌など肺肉腫様癌に対するペムブロリズマブの単群検証的試験)の登録症例のすべての外科切除検体の腫瘍/正常検体を各施設から集積した。 「②肺肉腫様癌検体のエクソーム解析、トランスクリプトーム解析」:集積した肺肉腫様癌検体のエクソーム解析、トランスクリプトーム解析により遺伝子異常やコピーナンバー異常、遺伝子発現プロファイルを検討中である。 「③肺肉腫様癌検体の多重免疫染色による免疫プロファイル解析」:腫瘍細胞上のPD-L1/PD-L2に加えて、腫瘍中に浸潤するCD8陽性細胞や制御性T細胞(Treg細胞)、腫瘍浸潤マクロファージ、樹状細胞の解析を行い、腫瘍浸潤免疫細胞のプロファイルを明らかにする。更にはPD-1やLAG3、TIGITなどの免疫チェックポイント分子やグランザイムを同時に多重染色することにより、免疫細胞の機能の解析も進める。また腫瘍抗原特異的なT細胞に発現しやすい疲弊マーカーなども染色することで、免疫細胞の詳細を明らかにしている。 「④遺伝子プロファイル/腫瘍局所の免疫プロファイルのデータと、PD-1阻害薬の奏効との関連の検討」:ドライバー遺伝子の有無、immune evasionに関わる遺伝子の異常、がん抗原反応性のCD8陽性の浸潤の程度、制御性T細胞や腫瘍関連マクロファージ、MDSCなどの抑制性細胞の浸潤の程度などを評価し、腫瘍や腫瘍浸潤免疫細胞のプロファイルとPD-1阻害薬の効果との関連を探索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NCCH1603(既治療進行・再発肺多形癌など肺肉腫様癌に対するニボルマブの単群検証的試験)と、NCCH1703(未治療進行・再発肺多形癌など肺肉腫様癌に対するペムブロリズマブの単群検証的試験)の登録症例の腫瘍/正常検体の集積を実施し、様々な解析を順調に実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、研究計画に基づき順調に進捗している。本研究では、PD-1阻害薬が投与された肺肉腫様癌検体の遺伝子プロファイルと腫瘍浸潤免疫細胞のプロファイルを明らかにすることで、免疫療法の効果予測マーカーの同定、肺肉腫様癌の免疫療法の初期あるいは獲得耐性機序の解明、更には耐性を克服する将来的な治療の開発へと繋げていくことを目的としているため、得られた結果に基づきさらなる研究を進める予定である。
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