研究課題/領域番号 |
22K08309
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水野 正司 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20303638)
|
研究分担者 |
鈴木 康弘 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (20584676)
金 恒秀 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (40745238)
伊藤 恭彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60402632)
福井 聡介 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (90896060)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 実験腎炎 / 動物モデル / 補体活性化 / 補体制御 / 補体 / C3腎症 / 自己抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
補体活性化異常の関与が注目されるC3腎症(C3G)は、本邦での発症頻度など不明な点が多く、実態解明のために申請者らは全国規模の一次性膜性増殖性糸球体腎炎/C3Gコホート研究(C3GCS)を展開している。しかし、C3Gは稀少疾患であるため、病態の解明や治療薬の開発が不可欠である。C3Gは病理学的にheterogeneityの高い疾患群であり、申請者らはその病因から①補体関連蛋白の遺伝子変異型と②補体活性化を促進する自己抗体型の2つに分類することを提唱している。本研究では、①遺伝子改変マウスを用いてC3Gの多彩な病理像・発症機序の解明、②C3変換酵素活性を持続させる自己抗体の新規C3Gモデルマウス作製とその病態解析を目的とする。
|
研究実績の概要 |
補体活性化異常の関与が注目されるC3腎症(C3G)は、発症機序などその病態に不明な点が多い。このためモデル動物の作製およびその解析が、病態の解明や治療薬の開発には不可欠である。本研究では、①補体H因子(FH)変異マウス(FHm/mMo)およびH因子/プロパジン(P)の二重遺伝子改変マウス(FHm/mPKO Mo)を用いてC3Gの多彩な病理像・発症機序の解明、②C3変換酵素(C3bBb)活性を持続させる自己抗体(C3NeF)型の新規C3Gモデルマウス作製とその病態解析を目的として研究を進めている。 概要1:表現型の異なる遺伝子(H因子(HF))変異型C3G発症マウスモデルを用いて、補体系蛋白のC3G発症・進展機序への関わりを明らかにするため、海外共同研究者から供与された。R4年は、C3Gを自然発症する遺伝子改変マウス(H因子の変異マウス(FHm/m Mo)とPもノックアウトしたHFm/mPKO Mo)を、実験可能なレベルへの安定供給状態にすること、また、供給元で認められた病変の再現性を確認した。次年度は、光顕観察下で経時的な形態学的変化、補体活性化産物の沈着、電顕観察下で高電子密度沈着物形成の時間的変化について、形態学的に解析を進める。 概要2:C3NeFの作成と病態解析のために自己抗体型C3腎症の動物モデルの作成の取り組みとして、C3NeFに相当する多クローン性抗体を作成するために、分子構造から異なる4種類のアミノ酸配列に対して、それぞれについて高純度の免疫候補ペプチドを作成した。次に、それぞれのペプチドをウサギに免疫し、ELISA系にて抗体産生を確認し、その抗血清を回収した。次年度は、および精製免疫グロブリンなどを用いて、実験動物で、腎炎惹起を試みる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要1について、表現型の異なる遺伝子(H因子(HF))変異型C3G発症マウスモデルを用いて、補体系蛋白のC3G発症・進展機序への関わりを明らかにするため、海外の協同研究者よりマウスが供給されたが、供給されたマウスに汚染を確認したため、C3Gを自然発症する遺伝子改変マウス(H因子の変異マウス(FHm/m Mo)とPもノックアウトしたHFm/mPKO Mo)の除染の作業に時間がかかってしまった。 その後、遺伝子的系統維持も安定し、実験可能なレベルに安定供給ができるようになったため、供給元で認められた病変の再現性を確認できた。
概要2について、R4年度末までに、目的とする抗血清の作成まで、ほぼ計画通りに進んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
概要1については、経時的な光学顕微鏡下に形態学的変化、補体活性化産物の沈着、電子顕微鏡(EM)観察下で高電子密度沈着物(EDD)形成の時間的変化について形態学的に解析を進める。 概要2については、次年度は、この得られた抗体のin vivo作用について、抗血清、および精製免疫グロブリンなどを用いて、ラットで、4種類の抗血清を単独、もしくは複数投与し、腎炎惹起を試みる。一旦腎炎モデルの作成に成功した後は病態解析、特に補体との関連に焦点をあてて検討を進めていく予定である。
|