研究課題/領域番号 |
22K08322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
林 義大 島根大学, 医学部, 医科医員 (60868636)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / 線維化 / 腎線維化 / 糖尿病腎症 / シングルセル解析 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病腎症は、慢性腎臓病の主たる原因疾患である。腎臓の線維化は慢性腎臓病の進行過程において共通の機序であり、細胞外基質の産生に重要な役割を果たすと考えられている。筋線維芽細胞の由来に関してはこれまで複数の報告があり議論されている。この理由として腎臓は血管内皮・尿細管上皮を始め,多くの細胞から構成されていることがある。シングルセル解析は多数の細胞種が存在する臓器において、細胞同士がどのように相互作用を及ぼし環境に反応するかに関して、組織を細胞レベルで理解することを可能にする技術である。2型糖尿病動物を用いて線維化のメカニズムにおける細胞同士の相互作用に関してシングルセル解析を用いて解明する。
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研究実績の概要 |
これまでにdb 遺伝子の自然突然変異によりCD-1マウスは肥満と糖尿病を起こすという報告がある(Julie A.Brown et al, Am.J.Physiol. Regulatory Integrative Comp. Physiol. 2000) が、我々の予備的検討でもCD-1db/dbマウスが強い腎線維化を認めるものの、その詳細な機序に関しては明らかにできていない。本研究では①CD-1db/dbの腎にてシングルセル解析を行い、糖尿病状態の腎構成細胞で誘導されるシグナルおよびBKSdb/dbとの表現系の違いを生じる原因、②ストレプトゾトシン(STZ)誘導1 型糖尿病マウスの腎にてシングルセル解析を行いSGLT2阻害薬の腎線維化抑制プロセス及び腎構成細胞に及ぼす影響、を明らか にすることを計画した。本解析の完遂は臓器線維化を伴う2 型糖尿病モデル動物の提供及びその機序の解明につながる。また、マウス系統間での腎線維化に関しての検討で得られる知見は人種間での腎表現系の差異が生まれる原因の解明に寄与する可能性がある。加えて、SGLT2阻害薬を用いた検討では線維化抑制に関与するシグナルを解明することで、糖尿病腎症の克服を目標としている。昨年度は①の実験においてシングルセル遺伝子発現Flexを行い、各マウスの腎臓におけるシングルセル遺伝子データを得た。現在は得られたシングルセルデータを用いて各マウス腎臓間での細胞分布の変化や細胞種毎の線維化に関連する発現遺伝子の違いを確認・解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シングルセルデータを得る実験が終了しており実験は進んでいるが、機器導入の遅れから昨年度末まで実験を開始できなかったため、全体の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
得られたシングルセルデータを解析し、線維化に関連する遺伝子変化の解明を行う。また、シングルセル空間解析を行うことでターゲットとなる遺伝子発現と線維化の進行について細胞間クロストークを確認を行う予定である。その後、得られた線維化進行に関連するターゲットに対する介入を行い、線維化を抑制できるか確認を行うこととしている。
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