研究課題/領域番号 |
22K08323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
城所 研吾 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50435020)
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研究分担者 |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
長洲 一 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40412176)
角谷 裕之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70509265)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Keap1-Nrf2 / GFR制御 / TRPC / 細胞内カルシウム / Keap1/Nrf2 / GFR / Oxidative stress / Calcium dynamics |
研究開始時の研究の概要 |
① Nrf2活性化によるGFR変化を、複数の手法にて解析する。② Nrf2活性化に伴う腎血流変化、糸球体循環動態変化をin vivo imaging法を用い解析する。③ 糸球体細胞におけるNrf2活性化に伴うカルシウム動態およびTRPCチャネル活性化の関与を解析する。④ Nrf2活性化によるカルシウム流入制御が血管緊張や糸球体有効濾過面積の調節を介してGFR変化と関連することを証明する。⑤ 糸球体細胞へのカルシウム流入抑制によりもたらされる細胞骨格変化、分子機序を解明する。 上記検証により、Keap1-Nrf2機構の腎生理及び腎臓病病態形成における意義を解明する。
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研究実績の概要 |
Keap1-Nrf2経路は、抗酸化因子の発現を包括的に制御する生体防御機構である。Keap1-Nrf2は抗酸化因子の発現制御に関わるため、活性酸素種(ROS) 制御が潜在的にGFR制御に関与していることが示唆されるが、詳細なメカニズムは不明である。ポドサイトは、アクチンやミオシンなどの収縮蛋白を有していることから、有効濾過面積の調節に関与している可能性がある。また細胞収縮は細胞内カルシウムに依存しており、redox感受性カルシウムチャネルTRPCはポドサイトにおける主要なカルシウム流入経路である。Nrf2/TRPC経路によるカルシウム動態制御に着目し、Nrf2活性化に伴うGFR上昇機序の解明を目的に研究を行った。 C57BL/6マウス(Cont.)、Nrf2欠損マウス(Nrf2-KO)、Keap1-knockdownマウス(Keap1-KD)を用いた。Nrf2活性化薬(dh404)を1週間投薬し、GFRを評価した。In vivo imagingにて糸球体輸入/輸出細動脈径(AA/EA)を評価した。単離糸球体、培養ポドサイトを用い、過酸化水素刺激による細胞内カルシウム濃度変化、およびdh404による変化を評価した。TRPC5/6の阻害薬を用い、ポドサイトへのカルシウム流入経路を確認した。 dh404投与群、Keap1-KDではGFRの有意な上昇を認めた。Nrf2活性化群ではAAの拡大が見られたがAA/EA ratioは有意差なく、またNrf2活性化群においては糸球体容積の増大を認めた。dh404は過酸化水素によるポドサイトへのカルシウム流入を抑制した。またTRPC5/6阻害薬によってもカルシウム流入が抑制された。Nrf2活性化は、Redox感受性TRPCからのカルシウム流入を抑制することで細胞収縮を抑制し、糸球体濾過面積を増大させGFRを増加させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
入念に予備実験を行なっていたため、実験計画の大きな変更なく、想定通りの実験結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
ポドサイトにおけるTRPC活性が、実際にGFR制御に関与するかの検証を行う予定である。TRPC5/6欠損マウス、あるいはfloxマウスを用いてポドサイト特異的TRPC5/6欠損マウスの作成を追加で予定している。時間的猶予がなければ、TRPC6阻害薬、TRPC5阻害薬を用いた実験を行う。それぞれのマウス、あるいは阻害薬にてGFRの上昇が確認できれば、TRPCとGFR制御における関連が証明できると考えている。
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