研究課題/領域番号 |
22K08338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 北里大学 (2023) 昭和大学 (2022) |
研究代表者 |
長島 隆一 北里大学, 理学部, 講師 (20783707)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腎間質線維化 / ILC2 / CKD / 腎線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)は、長期間にわたり緩徐に進行する腎障害であり、自己免疫疾患やメタボリックシンドロームとの関連が指摘されている。進行したCKDは透析や腎移植以外に治療選択がなく、初期段階で治療介入し腎機能を保全していくことが求められる。近年注目されている2型自然リンパ球(ILC2)は、腎臓に常在し腎疾患に保護的に作用することが明らかとなった。本研究では腎ILC2の基礎的機能とCKD病態制御機構の解明と治療応用に取り組む。腎臓において未知の存在であるILC2を理解することは、腎領域でのILC2制御に関する学術的基盤の構築を促し、新規CKD治療戦略の基礎を築くことに繋がる。
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研究実績の概要 |
本課題の目的は、1 腎臓における2型自然リンパ球(ILC2)の生理的機能の解明 2腎疾患におけるILC2応答機構の解析を通じ、新規CKD治療基盤を樹立することである。CKD病態の進行には、原疾患に関わらず共通して腎間質線維化を伴い、低腎機能および腎予後と関連している。つまり、腎間質線維化の克服はCKD治療において最重要課題であると言える。 本年度は、アデニン誘導性CKDマウスモデルによるILC2応答解析を行った。IL-33投与により増加したILC2は、本モデルでの線維化の進行も軽減することができた。また線維化に伴う炎症を抑制することが明らかとなった。これらは、分取した腎ILC2をアデニンCKDマウスに移入しても確認され、腎ILC2による直接的な線維化抑制効果が示唆された。また、腎線維芽細胞との共培養において、線維化マーカーの発現が優位に低下したことも明らかとなった。これはILC2が炎症だけでなく、線維芽細胞との相互作用により線維化を制御している可能性を示唆している。現在、これらを学術誌に報告中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CKDマウスモデルにおいて、CKDで必発する腎線維化にILC2が介在し、その病態進行を制御し得る可能性を見出すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
腎線維化におけるILC2は、線維化を抑制するという役割を示すことができた。しかし未だにその分子メカニズムについては明らかにできていない。今後はその詳細な機序を明らかにし、治療標的や治療薬開発への基礎的データを蓄積していく。
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