研究課題/領域番号 |
22K08365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
森山 能仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (20439821)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | カベオラ / カベオリン-1 / 糸球体上皮細胞 / 糸球体内皮細胞 / エンドサイトーシス / ゲニステイン / アルブミン / Srcキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
糸球体腎炎や糖尿病性腎症の進行危険因子としての蛋白尿・アルブミン尿の関与は大きく、実臨床でも治療の第一目標はその減少である。尿中へアルブミンの排出には糸球体内皮細胞・基底膜・上皮細胞からなる糸球体係蹄の通過が重要であり、これまで係蹄の細胞の通過経路として内皮細胞におけるフェネストラや上皮細胞の足突起間のギャップなど細胞間経路が考えられていたが、我々はこれまでにアルブミンの糸球体内皮・上皮細胞へのカベオラ介在性細胞内通過経路を報告した。このカベオラ経路は各種腎炎・腎症に共通するアルブミン尿の経路の一つと考えられ、この経路阻害に伴うアルブミン尿減少による普遍的なCKD新規治療探索を行う。
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研究実績の概要 |
これまで我々が行ってきた研究として、アルブミンが糸球体内皮細胞・糸球体上皮細胞に発現するカベオラを介して細胞内を通過する経路を解明し、新たなアルブミン尿発現の機序として報告してきた。更にカベオラ阻害によるアルブミンのエンドサイトーシスの抑制を糸球体内皮・上皮細胞を用いin vitroの実験で証明し、またアルブミン尿の減少をネフローゼモデルマウスを使用しin vivoの実験で証明し、新たな慢性腎臓病治療となり得る可能性を報告してきた。本研究では薬剤によるカベオラ経路の阻害からアルブミン尿の減少を証明し、腎疾患に対する新規薬剤の可能性を検討した。 昨年度に引き続き、reactive oxygen species(ROS)によってSrcキナーゼが活性化され、更にカベオリン-1が活性化しカベオラが増殖することに着目し、Srcキナーゼ阻害効果のある、大豆イソフラボンに多く含有される植物性エストロゲンであるゲニステインを使用し実験を進めた。 これまでにゲニステインの投与でカベオラの構成蛋白であるカベオリン-1の発現が低下し、それに引き続きアルブミンの細胞内とりこみが阻害される事を調べたが、その機序であるSrcキナーゼの発現の低下を調べるために実験を行った。 昨年までと同様に糸球体内皮細胞・上皮細胞に対して、50ug, 100ugそして200ugのゲニステインで前処理後アルブミンを60分incubateした後、細胞を回収しwestern blottingを行い、Srcとp-Srcの発現を調べた。ゲニステインの投与によりp-Srcn発現が低下する傾向はみられたが、dose dependentな低下が見られていない。今後実験を繰り返し結果を確認するのと免疫染色法でも検討する予定である。この結果が得られれば、動物実験への展開を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度に東京女子医大から東京医大に異動した際に実験装置の変更などに伴うプロトコールの変更ややり直しなどに関して生じた遅れが続いている。新たに動物実験を開始する準備も進めているが器具の不足など様々な問題が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
現状のSrcの発現に関しての実験を引き続き進めるとともに、動物実験の開始に関して進めていく。
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