研究課題/領域番号 |
22K08369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
水野 理介 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (30273080)
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研究分担者 |
向田 昌司 岡山理科大学, 獣医学部, 講師 (80824797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リンパ管 / 腎臓 / RAS / 高血圧 / 食塩 / 食塩感受性高血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
食塩感受性高血圧症では神経系、心血管系および腎臓におけるレニン-アンジオテンシン系(RAS)のバランス失調が複合的に関わることが知られている。申請者は最近、モデル動物を用いて高食塩負荷によって集合リンパ管の収縮機能が変化する事を見出し、上記の要素に加えて「リンパ循環系のRAS」が新たな要素として高血圧症の病態生理に関わる可能性を指摘した。本研究では、腎内リンパを腎外に排出する腎臓排出リンパ管(RDLV)における局所RASの生理学的役割を解析し、さらに食塩感受性高血圧症におけるRASの変調を明らかとする。そして、高血圧の発症機序にRDLVのRAS異常という新たな要素を加えることを目指す。
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研究実績の概要 |
1.摘出ラット腎臓排出リンパ管(RDLV)の自発性収縮に対するRenin-Angiotensin System(RAS)の作用検討 アンジオテンシンI、IIおよびブラジキニンは、RDLVの自発性収縮に対して用量依存的に収縮反応と正の変時作用を誘起した。Angiotensin Converting Enzyme(ACE)阻害薬であるエナラプリラートは、アンジオテンシンIによる反応性を有意に解除した。また、Angiotensin Type1 Receptor (AT1受容体) Blocker(ARB)であるオルメサルタンは、アンジオテンシンIによる反応性を有意に遮断した。ACE阻害薬であるエナラプリラートは、ブラジキニンによる反応性を有意に増強した。また、ブラジキニンB2受容体拮抗薬であるHOE140は、ブラジキニンによる反応性を有意に遮断したが、ブラジキニンB1受容体拮抗薬である[Des-Arg 10] HOE 140は、ブラジキニンによる反応性に影響を与えなかった。 2. 摘出ラット腎臓排出リンパ管(RDLV)における局所RASの分布解析 RDLVの内皮細胞と平滑筋における、以下の分子の分布を免疫組織化学で検討した。アンジオテンシノーゲン、ACE、AT1受容体、B1受容体、B2受容体、ネプリライシン。内皮細胞には、アンジオテンシノーゲン、ACEおよびB2受容体の発現していること、平滑筋には、アンジオテンシノーゲン、ACE、AT1受容体、B1受容体、B2受容体およびネプリライシンの発現していることが確認された。 以上の結果から、正常ラットRDLVにおいて、局所RASによる収縮制御機構の存在を明らかとした。また、ブラジキニン- ACEを介する収縮制御機構は、局所RASに影響を与える可能性を示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正常ラットの腎臓排出リンパ管における、局所RASによる構造・機能解析を達成できた。また、この局所RASの制御機構にブラジキニン-ACE軸も関与していることを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに推進する。特に、今年度は食塩負荷が腎臓排出リンパ管の局所RASに影響を与えるかを解明する。
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