配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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研究実績の概要 |
皮膚筋炎患者の病変部皮膚におけるカセリサイディンの発現を免疫組織化学染色を用いて調べたところ、浸潤する好中球のほか、血管内皮や角層を除く表皮全層でもヒト活性型カセリサイディンLL-37の発現がみられた。一方強皮症患者の病変部皮膚では、血管内皮を中心にLL-37の発現を認め、膠原病の中でも疾患によりLL-37の分布が異なることが示された。また、野生型マウスの耳にLL-37を皮下投与すると、真皮から皮下にかけて血管拡張、浮腫、炎症細胞浸潤を生じ、筋組織の壊死を認めた。定量PCRでは、Il6,Cxcl5,Ifna2,Ifnb1,Il1bのmRNAが増加した。また、マウス皮膚にテープストリッピングを加えた後LL-37を皮下投与すると、紫斑や潰瘍が出現し、好中球浸潤もより著明になった。定量PCRでは、テープストリッピングとLL-37の併用群において、テープストリッピング単独、LL-37単独では誘導されないCxcl5,Ptgs2,S100a9などが誘導された。さらに、アテロジーンを用いてsi-CRAMPでマウスカセリサイディンをノックダウンし、ブレオマイシン局所注射による強皮症モデルの炎症期(1週)、硬化期(4週)で評価したところ、si-CRAMP群ではコントロール群に比べIl4,Il6,Il1b,TnfのmRNA誘導が減弱した。また、硬化期ではsi-CRAMP群で真皮の厚さが軽減しており、カセリサイディンがT細胞サブセットのバランスを変化させ炎症惹起、皮膚硬化に関与している可能性、およびカセリサイディンの阻害が強皮症の硬化を防ぐ可能性があることが示された。
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