研究課題/領域番号 |
22K08390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
村岡 響子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00927791)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肥厚性瘢痕 / 融合遺伝子 / ケロイド |
研究開始時の研究の概要 |
ケロイドではこれまでその試みにもかかわらず原因遺伝子が同定されていない。研究代表者らはその本質が腫瘍であるという仮説のもと、これまで原因遺伝子が同定されていないのは通常の点変異や欠失変異などの遺伝子変異ではなく、遺伝子の転座・挿入・逆位により生じる融合遺伝子により発症しているために、通常の遺伝子検査で検出できていないのではないかと考えた。本研究において、いまだ明らかになっていないケロイドの病態と原因を融合遺伝子の面から解明し、新規診断法や治療法の開発につなげたい。
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研究実績の概要 |
肥厚性瘢痕やケロイドは、創傷治癒の異常によって生じる線維増殖性疾患である。現在までに正確な原因は解明されていないが、遺伝素因、炎症、そして免疫などの創傷治癒過程のいずれかに異常が生じて、過剰な瘢痕形成を引き起こすものと考えられている。 本研究では、はじめて培養ケロイド線維芽細胞(KEL FIB)のトランスクリプトームシーケンスを行い、融合遺伝子の同定に焦点を当てて解析を行った。 我々のトランスクリプトーム解析で複数の融合遺伝子の候補を特定することができた。しかし、これらを9症例のケロイド組織や肥厚性瘢痕の組織において検出することができなかった。よって、ケロイド性疾患における融合遺伝子の存在を証明することは現時点ではできていない。 一方、トランスクリプトームシーケンスにより同時に遺伝子発現解析を進めた。fragments per kilobase per million map readsの値を算出することで各遺伝子の発現量をKEL FIBと正常線維芽細胞で比較した。結果、GPM6Aの発現が正常線維芽細胞に比べてケロイド線維芽細胞で上昇していることを突き止めた。このデータは、肥厚性瘢痕とケロイドの組織を用いたリアルタイムPCRと免疫染色によっても確認された。トランスクリプトームシーケンスで検出されたGPM6Aの過剰発現は、ケロイド性疾患の病態に関与する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文発表を既におこなっているため
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今後の研究の推進方策 |
GPM6Aの機能解析:我々はGPM6Aはケロイドにおいて細胞増殖を誘導しているとの仮説を立てた。これを確認することで、GPM6Aが肥厚性瘢痕やケロイドの新規治療ターゲットとなる可能性を検証できると考える。 さらなる融合遺伝子の同定の試み;我々は、融合遺伝子がケロイドにも存在し、ケロイドの病態に関与している可能性があるとの仮説を有している。トランスクリプトームシーケンスで同定された融合遺伝子の他の候補のうち、ケロイドや肥厚性瘢痕の組織で検出できるものを引き続き検索していく。
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