研究課題/領域番号 |
22K08395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
端本 宇志 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 皮膚科学, 准教授 (00647844)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 痒み / 好塩基球 / マクロファージ / 末梢神経 / IL-31 / JAK / アトピー性皮膚炎 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎(AD)では「痒み」という不快な感覚を伴い、「痒み過敏」と呼ばれる状態も出現する。痒み過敏の病態の解明と治療方法の開発は社会的にも急務である。本研究ではIL-31と好塩基球に注目し、(1) ADモデルマウスのIENF変容と痒み過敏における好塩基球の関与の検討、(2) ADモデルマウスの表皮内神経変容と痒み過敏におけるIL-31の関与の検討、(3) ヒトADにおける好塩基球とIL-31発現が表皮内神経変容と痒み過敏に与える影響の検討、を通じて好塩基球とIL-31による表皮内神経変容と痒み過敏発生機序を解明することにより、治療方法の開発につなげることを目標とする。
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研究実績の概要 |
当該年度においては、アトピー性皮膚炎に随伴する結節性痒疹について、IL-31がどの様な機序でかゆみを催しているのかを検討した。ヒトの結節性痒疹の皮膚検体を用いてIL-31およびIL-31受容体の発現を確認したところ、表皮および真皮の免疫担当細胞で発現が確認された。IL-31・ILー31受容体によるシグナルの下流ではJanus kinase (JAK)、とくにJAK1のリン酸化が必要である。そこで、リン酸化JAK1をの発現を確認したところ、表皮のIL-31受容体発現部位にはリン酸化JAK1の発現は見られず、真皮においてももっぱら好塩基球がリン酸化JAK1を発現しているのみであった。アトピー性皮膚炎では2型免疫応答が優位であるので、その代表的なサイトカインIL-4、IL-13の受容体の共通するサブユニットであるIL-4Raを確認したところ、こちらはリン酸化JAK1とよく一致した部位に発現していた。また、好塩基球も同様にIL-4Raを発現していた。IL-4Raの下流ではSTAT6のリン酸化が必要であるが、同様にリン酸化STAT6の発現も同部位にみられた。このことは、IL-31は表皮においてはJAK1を介した経路をとっておらず、他の経路(ERKなど)を介していることが考えられる。本内容は、国際的なかゆみの学会World congress of itchで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトの検体を用いた検討については大変順調に進捗しているが、マウスを使用した動物実験については検討が遅れている。その理由として、研究室および動物飼養保管施設の改修がまる1年半にわたって施工されたため、動物の飼養保管ができず、動物実験も休止していたためである。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であり、動物を用いた実験を積極的に推し進めていく。具体的には、MC903で誘導したアトピー性皮膚炎モデルマウスをもちいて、好塩基球除去や末梢神経除去をおこない、痒みや機会刺激による痒み過敏現象がどのように変化するかを確認する。さらに、マウス後根神経節を採取・培養して、好塩基球教培養下での神経突起延長の確認や、Caイメージングによる反応性の確認を行う
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