研究課題/領域番号 |
22K08402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
島内 隆寿 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90399204)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ガレクチン-7 / アトピー性皮膚炎 / 表皮角化細胞 / type 2 サイトカイン / type2 サイトカイン / ガレクチン-7 / 皮膚リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
ガレクチン-7 (Galectin-7: Gal-7) は表皮角化細胞に豊富に存在し、細胞のホメオスタシスに深く関与する。アトピー性皮膚炎の主たる病因であるIL-4/IL-13は直接的に表皮角化細胞からのGal-7の放出を促進する。一方、産生、放出されたGal-7がどのような免疫学的作用を発揮するかについては不明である。本研究は、IL-4/IL-13が関与する代表的な皮膚疾患であるアトピー性皮膚炎、皮膚T細胞リンパ腫 (菌状息肉症、セザリー症候群) におけるGal-7の生理的意義について、患者検体ならびにGal-7ノックアウトマウスを用いて検証する。
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研究実績の概要 |
R4-5年度の研究実施計画の中心的項目である「アトピー性皮膚炎におけるガレクチン-7の免疫学的役割」について解析を進めた。 当該年度は我々が作成したガレクチン-7ノックアウトマウス(Gal7KOマウス)と野生型マウス(WTマウス)における表現型解析を中心に検討した。カルシポトリールであるMC903塗布によるアトピー性皮膚炎(AD)誘導モデルにおいて両群での耳介の厚さ、経皮水分蒸散量(TEWL)、トルイジンブルー染色による皮膚バリア機能を評価したが、有意差は認められなかった。 上記方法で十分な情報が得られなかったため、計画書にも記載していた通り、我々は定常状態における両マウス群の表皮角化細胞を抽出して、Bulk RNAシークエンスを用いたトランスクリプトーム解析を実施した。その結果83の発現変動遺伝子を認め、pathway enrichment解析では脂質代謝に関する経路がGal7KOマウスで低下していることを見出した。 現在、脂質代謝に関して、Gal7がどのような機能を有するか、検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
作成したGal7KOマウスとWTマウスにおけるアトピー性皮膚炎誘導下において、大きさ表現形や分子生物学的な差異が認められず、Gal7におけるマウスでの生理学的な作用機序が見出せていない状況が持続している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、Gal7KOマウスとWTマウスとで形態学的、免疫学的、分子生物学的な相違がないか、多方向から検討中である。特に脂質代謝とGal7との関連を中心に、作成したGal7KOマウスを用いて解析を行う方針である。 また、皮膚リンパ腫患者、アトピー性皮膚炎患者といった代表的なtype2サイトカインが関与する皮膚疾患患者における血清Gal7値や皮膚病理組織学的に表皮角化細胞におけるGal7の発現がそれぞれの治療によりどのように変動するかを検討する予定である。
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