研究課題/領域番号 |
22K08412
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鎌田 弥生 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00410035)
|
研究分担者 |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
冨永 光俊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50468592)
外山 扇雅 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (50805893)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | アトピー性皮膚炎 / 感覚神経 / かゆみ / 三次元培養皮膚モデル / iPS細胞 / ヒト三次元培養皮膚モデル |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎 (AD) はかゆみのある湿疹を主病変とする疾患である。激しいかゆみは不眠や集中力の低下をもたらし、患者のQOLを低下させることから、ADの鎮痒薬の開発は必要不可欠とされている。ADの病変部は表皮内に神経線維が増生しやすい状態にあり、かゆみ過敏の原因になると考えられているが、AD病変部は健常皮膚より神経線維が少ないという報告もあり、その動態は不明点が多い。そこで本研究は、ヒトiPS細胞由来感覚神経と共培養したヒト三次元培養ADモデルを構築し、AD病変部の軸索ガイダンス分子の発現変動機序と表皮内神経線維の動態を明らかにすることで、新しい鎮痒法の開発への応用を目指す。
|
研究実績の概要 |
アトピー性皮膚炎はかゆみのある湿疹を主病変とする疾患で、難治性のかゆみは不眠や集中力低下をもたらし、患者のQuality of Lifeは著しく低下する。ADで見られるかゆみ過敏は表皮角化細胞が産生するセマフォリン3Aなどの神経反発因子が減少し、本来真皮内にある神経線維が表皮内まで伸長し、増生することが一因であると考えられている。そこで本研究はヒトiPS細胞由来感覚神経と共培養した三次元培養ヒトADモデルを構築し、AD病変部の軸索ガイダンス分子の発現変動機序と表皮内神経線維の動態を明らかにすることにより、表皮内神経線維を制御する新しい鎮痒法の開発に応用することを目指す。 令和5年度はヒトiPS細胞から神経提細胞、末梢感覚神経まで誘導する方法を確立した。また、三次元培養正常皮膚モデルの作製方法を確立するため、いくつかの方法を試した。市販キットを用いた方法は皮膚構造が上手く形成されず、文献を参考にした方法では皮膚に類似した構造が確認できた。今後、種々の表皮分化マーカーの発現やコラーゲンなどの細胞外基質、線維芽細胞のマーカーとしてビメンチンの分布等を免疫組織化学染色で解析する予定である。また、AD類似三次元皮膚モデルを作製するため、昨年度は単層培養系にサイトカインを添加し、フィラグリンや軸索ガイダンス分子の発現を解析したが、今年度はより生体に近い条件で解析するために、三次元培養表皮モデルの作製過程でサイトカインを加える実験を行った。その結果、単層培養系と同じくフィラグリンはいずれの組合せでも発現が減少し、神経反発因子セマフォリン3Aの発現減少と神経成長因子の発現増加は認められなかった。以上のことより、AD病変部を完全に模倣するためには、サイトカイン環境の変化だけでは不十分であると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
iPS細胞から末梢感覚神経の誘導と、三次元培養皮膚モデルの構築に1回あたり約2か月~2か月半を要し、研究を迅速に進めることが困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
神経細胞と三次元培養皮膚モデルの共培養系の構築に取り組む。具体的には、iPS細胞由来感覚神経やラット後根神経節細胞を用いて、三次元培養皮膚との共培養が可能か、可能な場合、神経細胞の分布はどのように変化するのかを確認する。
|