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色素細胞から迫る新たなRASopathyの病態解明へ向けた基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K08414
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53050:皮膚科学関連
研究機関大東文化大学

研究代表者

後藤 孝也  大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80284355)

研究分担者 安田 武嗣  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 主幹研究員 (60332269)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード色素細胞 / 神経線維腫症1型 / 細胞内情報伝達 / 神経線維腫症 / 神経細胞
研究開始時の研究の概要

癌抑制遺伝子の1つであるNF1の遺伝子変異が原因とされる神経線維腫症1型の腫瘍増殖及び悪性転化の機構について、少数ではあるが腫瘍を構成するメラノサイトが周辺に存在する他の多数の神経系細胞やその他細胞群の変異増殖の制御をしているのではないかという視点から、メラノサイトとその周辺に存在する細胞の相互作用の解析を行う。特に、診断や治療の経過観察に有用なバイオマーカーとして研究が進むエキソソームに着目し、メラノサイトから分泌されるエキソソーム中の因子のプロテオミクス解析と質量分析法による各因子の同定を行う。さらにエキソソーム中のmicroRNA等に対して、ジーンチップを用いた網羅的解析を加える。

研究実績の概要

腫瘍組織の培養細胞での再構成系の検討を継続した。神経線維腫症1型腫瘍組織では、色素細胞は腫瘍組織に散在するのみで正常細胞に近いと考えられる。よって、腫瘍化した細胞ではなく、間葉系幹細胞から分化誘導した色素細胞を用いた再構成系の構築と解析が適切であると考え、引き続き間葉系幹細胞を用いた解析を継続した。しかし、iPS細胞と同様の分化誘導法を応用しただけでは、色素細胞への分化誘導が上手くいかない現象が見られた。これは、細胞株自身の問題、導入条件の問題等が考えられるが、現時点で問題点解決の糸口は見つかっていない。
色素細胞と共存する神経細胞として、神経節由来の細胞を解析を継続した。細胞間で相互作用すると推定される因子の同定は、プロテオミクス的解析を利用し継続的に解析を続けている。分与された細胞株である、①mos(体細胞で発現するとがん化を誘発する遺伝子)が過剰発現するマウス神経節由来細胞と②ras(変異ががん化に関与する遺伝子)を導入した細胞株の培養上清中に含まれるエキソソームで、ディファレンシャル解析をおこなった。目的としては、どちらも神経節由来の細胞であり、変異導入された遺伝子が異なるため、両方に共通する因子は神経節由来の蛋白、両者で異なる因子はras、mos の変異に由来する因子と考えられるため、エキソソーム中の因子の内、何が導入された遺伝子由来の因子なのか、逆に細胞由来の因子が何かを同定するためである。2次元ディファレンシャル電気泳動の解析の結果得られた蛋白質のスポットすべての解析が終了していないが、70%程度が両者に共通する蛋白でありエキソソームの膜に存在する蛋白であると推定される。rasの因子がコピー数として増加している細胞株を用い神経線維腫症1型を模倣した系として高次構造の再構成の検討を試みているが、想定していた以上に研究の進捗が遅れている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

細胞培養として、神経細胞及び色素細胞の共培養を行い、その細胞間でやりとりしていると推定される因子の同定を試みているが、単独培養と異なり共培養系では、細胞の増殖速度の違いが顕著となり、培養条件の設定に苦慮している。
具体的には、神経細胞では細胞増殖に関係するrasの因子がコピー数として増加している細胞を神経線維腫症1型を模倣した系として考え利用しているが、細胞の増殖速度が速く周辺細胞として要になると想定している色素細胞、また周辺の線維芽細胞など存在する腫瘍組織の高次構造を構成する細胞群の各細胞比率を安定的にコントロールし、再構成系の比較検討に、想定していた以上に時間を要している。

今後の研究の推進方策

引き続き、mos及びrasが導入された神経節由来の細胞を用い、二次元電気泳法を用いたディファレンシャル解析をおこなう。共通するもの、相違の見られるものそれぞれの蛋白質の同定の解析を継続する。
問題となっている間葉系幹細胞の色素細胞への分化誘導ついては、具体的な改善点が見つかっている訳ではない。そのため、色素細胞が悪性転化したと考えられる腫瘍組織由来の培養細胞株を入手し(細胞バンクから購入可能)、その色素細胞の培養液中に存在するエキソソームを超遠心法で回収して含まれる蛋白質を解析することを次なる方法として解析を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] DNA損傷応答における非ヒストンタンパク質のアセチル化修飾の役割2023

    • 著者名/発表者名
      安田 武嗣
    • 雑誌名

      BIO Clinica 38(9),

      巻: 38(9) ページ: 781-785

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヒストン脱アセチル化および細胞内転写における量子効果, 遺伝学のパラダイムシフトを目指して2023

    • 著者名/発表者名
      安田 武嗣
    • 雑誌名

      https://gsj3.org/wordpress_v2/wp-content/uploads/2023/12/27178d85ee4b70cdcec154d3e629ccfd.pdf

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 重水の同位体効果による細胞内ストレス応答2023

    • 著者名/発表者名
      安田武嗣, 中島菜花子, 谷中智子, 後藤孝也, 田嶋克史
    • 学会等名
      日本放射線影響学会 第66回大会  2023-11-08
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒストン脱アセチル化および細胞内転写における量子効果2023

    • 著者名/発表者名
      安田武嗣, 荻朋男, 中島菜花子, 谷中智子, 田中泉, 田嶋克史
    • 学会等名
      日本遺伝学会 第95回大会 2023-09-06
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Cell viability is dominated by quantum effects (細胞の生存は量子効果に支配されている)2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuda Takeshi, Nakajima Nakako, Tomoo Ogi, Yanaka Tomoko, Tanaka Izumi, Gotoh Takaya, Kagawa Wataru, Kaoru Sugasawa, Tajima Katsushi
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会、第46回大会 2023-12-08
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] DNA二重鎖切断におけるヒトRAD52の蛋白質のDNA結合部位の機能的区別2022

    • 著者名/発表者名
      中村菜花子、香川亘、谷中智子、後藤孝也、中沢由華、荻朋男、田嶋克史、安田武嗣
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒトは重水の中では生きられない:量子効果の大きな影響2022

    • 著者名/発表者名
      安田武嗣、中島菜花子、荻朋男、谷中智子、後藤孝也、田嶋克史
    • 学会等名
      日本遺伝学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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