研究課題/領域番号 |
22K08421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
泉 健太郎 北海道大学, 大学病院, 講師 (50793668)
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研究分担者 |
氏家 英之 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60374435)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 水疱性類天疱瘡 / 17型コラーゲン / IgE / 好塩基球 / CD203c / 自己免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid, BP)は表皮基底細胞のCOL17を標的とする自己免疫性水疱症で、水疱やそう痒を伴う紅斑が特徴的である。IgGクラス抗COL17自己抗体(BP-IgG)が水疱形成を誘導することは証明されているが、BPではIgEクラス抗COL17自己抗体(BP-IgE)も生じることがあり、紅斑形成へ関与していると予想されている。本研究の目的は、BP-IgE自己抗体と好塩基球などのエフェクター細胞を介した皮膚炎症増幅機構を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
1)水疱性類天疱瘡(B患者の末梢血中の活性化好塩基球上のBP-IgEに結合するBP180ペプチドを抗17型コラーゲン抗体で検出を図る。 治療開始前の水疱性類天疱瘡患者の末梢血中好塩基球についてAllergenicity kitを用いてフローサイトメトリ―にて解析を行うと好塩基球の活性化マーカ-であるCD203cの発現が亢進していることを確認した。CD203cの発現が亢進している水疱性類天疱瘡患者の末梢血好塩基球に対して水疱性類天疱瘡自己抗体の主要な病原エピトープであるBP180のNC16A領域を標的とするマウスモノクローナル抗体(TS39-3)を蛍光標識した後、好塩基球表面のIgE自己抗体上に結合しているであろうBP180断片の検出を試みるもTS39-3特異的なシグナルを検出することはできなかった。IgE己抗体に補足されるBP180が全長や主要な病原エピトープであるNC16A領域ではない可能性が懸念された。
2)寛解期にある水疱性類天疱瘡患者末梢血好塩基球をBP180リコンビナントタンパクで刺激し、好塩基球の活性化を指標にBP-IgEの検出・定量を試みる。 治療を開始し、寛解導入後の水疱性類天疱瘡患者の末梢血をBP180全長リコンビナントタンパクを用いて刺激すると好塩基球のCD203c発現の亢進みられる症例を認めた。CD203cの発現亢進の程度を定量化するため、(BP180刺激-PBS)/(抗IgE刺激-PBS)をstimulation indexと定義した。stimulation indexがbullous pemphigoid disease area index (BPDAI)で表される客観的な皮疹の重症度に正の相関がみられる傾向を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
BP180全長リコンビナントタンパク刺激に特異的な好塩基球の活性化の変化量をstimulation index=(BP180刺激-PBS)/(抗IgE刺激-PBS)と定義し、水疱性類天疱瘡症例において解析を行ったところ、stimulation indexがbullous pemphigoid disease area index (BPDAI)で表される客観的な皮疹の重症度に正の相関する傾向を認めた。一方、治療開始前の水疱性類天疱瘡患者の末梢血好塩基球の解析では、活性化マーカ-であるCD203cの発現が亢進していることを確認した。しかし、解析結果により明らかとなった好塩基球の活性化がIgE自己抗体とBP180の結合により生じているのか、IL-3やC5aなどその他の刺激により起きているのかは不明である。この点を明らかにするため、蛍光標識抗BP180抗体を用いてフローサイトメトリ―による検出を試みているものの現時点で達成できていない。BP180のNC16A領域を標的とするマウスモノクローナル抗体(TS39-3)を蛍光標識した後、好塩基球表面のIgE自己抗体上に結合しているであろうBP180断片の検出を試みるもTS39-3特異的なシグナルを検出することはできなかったため、好塩基球上でIgE己抗体に補足されるBP180にNC16A領域が含まれていない可能性が懸念されるため、現在はNC16A以外の部位を認識する抗体を用いた解析が必要な状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
寛解導入前の水疱性類天疱瘡患者の末梢血好塩基球の活性化経路を明らかにするため、抗BP180NC16A以外の部位(C末端領域など)を認識するモノクローナル抗体やラビットポリクロ―ナル抗体を作成し、蛍光標識し、フローサイトメトリ―を用いて解析を行う。 また抗BP180-IgE抗体を介した皮膚炎症増幅機構を明らかにするため抗マウスBP180-IgEモノクローナル抗体を作成し、マウスに移入する水疱性類天疱瘡モデルの解析を進める。
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