研究課題/領域番号 |
22K08422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山崎 研志 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40294798)
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研究分担者 |
小島 要 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (10646988)
元池 育子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (70347178)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | スキンタイプ / 白斑 / 紫外線 / ゲノムワイド連鎖解析 / GWAS / メラノサイト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では①日本人の紫外線感受性/スキンタイプGWASで同定されたSNPsの尋常性白斑患者における発現パターンを検証してその関与を推定すること、また②日本人スキンタイプGWASで同定された遺伝子の色素細胞と角化細胞での細胞動態・メラニン輸送動態への分子生物学的影響を検証することを計画する。また、これらの研究成果をもとに、日本人の紫外線感受性/スキンタイプSNPsが尋常性白斑の病態・発症に与える影響を検証し、尋常性白斑発症のSNPs予測プログラムを構築することを目的とする。細胞・分子動態を検証することで、白斑病態の予防標的となる細胞・分子の探索を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、日本人スキンタイプGWASで同定された遺伝子の色素細胞と角化細胞での細胞動態・メラニン輸送動態への分子生物学的影響を検証することを計画した。私達のグループでは、白斑病態・治療に関連する基礎研究と臨床研究を進めている。また、日本人スキンタイプ/紫外線感受性(日焼けのしやすさ)を示標とした1万人規模のゲノムワイド関連解析(GWAS)では、6カ所の関連多型(SNPs)を同定した(J Invest Dermatol. 2019;139(7):1605-8 e13)。同定されたSNPsを含む、ないし近傍の中には白斑症状を呈する眼皮膚白皮症2型遺伝子OCA2やグリセリ症候群関連遺伝子RAB32、まだら症原因遺伝子KITLG、などが含まれていた。現在6.7万人規模に拡大したGWASを進めており、新たに9カ所の関連SNPsを確認している。これらのSNPsの近傍にはメラニン色素細胞の生存や細胞障害時の細胞死抑制効果などの色素関連作用の報告がなされている遺伝子となされていない遺伝子が含まれている。新たに確認された9カ所の関連SNPsの近傍に位置する遺伝子の1つ(遺伝子X)に着目し、遺伝子Xが色素細胞における色素産生機構とメラノソーム移送機構に与える影響について遺伝子発現抑制法(siRNA)を中心に検証している。遺伝子Xは紫外線刺激でその発現量を変動させた。また、遺伝子Xの発現を抑制するとメラニン色素放出を抑制することが確認された。さらに、遺伝子Xの発現抑制は、色素細胞の樹状突起延長を抑制しており、メラノソーム移送機構を抑制している可能性を示唆した。遺伝子Xはリボゾーム関連遺伝子であり、メラノソーム移送や樹状突起形成に関連する報告はなされていない。今まで知られているメラニン合成機構と全く異なる機序による色素形成調整因子の可能性がある。現在、遺伝子Xの表皮角化細胞における作用も研究しており、特にメラノソーム受け取り機構への影響を検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子Xの色素細胞における色素産生機構とメラノソーム移送機構に与える影響についての検証が順調に進捗しており、新規の表現型が確認出来ている。また、遺伝子Xの表皮角化細胞における作用の研究にも着手できており、概ね研究計画通りに順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
当初に計画した研究を順次に遂行していく予定である。遺伝子Xの解析を進めつつ、それ以外の候補遺伝子についても順次に解析し、粛々として研究遂行に努めたい。
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