研究課題/領域番号 |
22K08423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
安田 正人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10451709)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 角化 / ケラチン / 掌蹠 / 表皮 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚は人体の最外層にあり、外力や異物から人体を守っている。特に手掌、足底の皮膚は厚い角質層を有し、外力に対し抵抗性が強い。再生医療の発展に伴い、皮膚の再生も試みられているが、手掌、足底の皮膚の再生はなされていない。皮膚は最外層の表皮と弾力を支える真皮からなるが、表皮の部位による構造の変化は、真皮からのシグナルが作用していることが明らかとなっている。本研究では、表皮と真皮の相互作用、ならびに手掌・足底の表皮角化機構を解明することで、最終的に手掌・足底皮膚の再生を目指す。
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研究実績の概要 |
皮膚はヒトの体の部位により、その形態を変化させている。特に手のひら・足の裏(掌蹠)の皮膚は毛包がなく、エクリン汗腺、神経が豊富で、厚い角質層を有する。これらの特性により、掌蹠は外力に強いとともに、鋭敏な感覚をもつ。また、細胞内でも掌蹠の表皮有棘層ではケラチン9という部位特異的な中間型線維により細胞骨格を構成している。本研究ではそれらの解剖学的、分子生物学的な特性を解析することにより、掌蹠型表皮の再生を目指している。 現在、掌蹠型角化機構が部分的に消失するcircumscribed palmoplantar hypokeratosis (CPH)の病態解明を進めている。病変部と正常部の遺伝子発現の違いを検討することで、掌蹠に特異的に発現するいくつかの遺伝子を同定しており、さらに次世代シーケンス法により病変部と正常部のエクソーム解析を行い、病変部に特異的にみられる遺伝子変異も複数同定した。遺伝子変異と遺伝子発現の違いのすり合わせを行い、CPHの病態への関与を解析している。 申請時に同定していた因子Xについては、全長のcDNAを単離し、発現ベクターへの組み込みを行った。他の因子についても同様に単離を試みている。不死化表皮角化細胞(HaCaT)への遺伝子導入を試みており、条件設定を行っている。今後、遺伝子導入に伴うHaCaT細胞の遺伝子発現の変化を解析するとともに、免疫細胞化学により、ケラチンの発現の変化をタンパクレベルで観察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
掌蹠角化機構に関与する可能性のある複数の遺伝子の同定は予定通りであるが、遺伝子導入による機能解析が遅れている。現在、発現ベクターに組み込んだ遺伝子の導入を試みているが、導入効率が低く、条件設定を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
発現ベクターでの遺伝子導入と並行して、レンチウイルスベクターへの組み込みも行っており、今後は導入方法の変更も含め、機能解析を進めていく。HaCaT細胞、培養表皮角化細胞へ効率的に遺伝子導入がなさされば、その導入された細胞の遺伝子発現の変化をトランスクリプトーム解析で検討するとともに、三次元培養系、免疫不全マウスへの細胞移植により掌蹠角化機構の機序解明につなげる。 また、新たに研究助手を雇用することでも、研究の推進を図りたい。
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