研究課題/領域番号 |
22K08428
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江川 形平 京都大学, 医学研究科, 講師 (50511812)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | T細胞 / 樹状細胞 / 皮膚免疫 / リンパ管 / 抗原提示 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク抗原を用いた皮膚炎モデルにおいて、「樹状細胞が血管周囲にトラム状に配列する」という独自に観察した免疫現象から、抗原特異的なT細胞が皮膚へと選択的に遊走するための仕組みが存在するのではないかとの仮説を得た。本研究はこの新規免疫現象を足掛かりとして本仮説を検証する。具体的には、①本現象が生じる条件、②関与する細胞サブセット、③現象の形成に必要なサイトカイン群を同定する。また④本現象の形成を阻害することで、抗原特異的T細胞の皮膚への浸潤効率や炎症の度合いに影響が生じるかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、抗原特異的なT細胞が皮膚へと選択的に遊走するための仕組みが存在するのではないかとの仮説の検証をおこなっている。 23年度は、抗原非特異的なT細胞皮膚浸潤モデルの解析を進めた。T細胞、B細胞が欠損するRAGノックアウトマウスにMACSで分離した蛍光標識T細胞を移植すると、T細胞が活発に増殖し(Homeostatic expansion)大量のエフェクターT細胞が生み出される結果、炎症のない皮膚へのT細胞の大量の浸潤が生じる。本実験モデルについて詳細を調べたところ、増殖しているT細胞がIL-13を産生するTh2細胞が主体であること、T細胞の大量皮膚浸潤があるにもかかわらず皮膚炎は生じないこと、T細胞皮膚浸潤の初期でも血管周囲のT細胞トラムラインは観察されないこと、皮膚にT細胞が多数浸潤している状態でマラセチア感染を起こすと、掻破行動が有意に増加し、皮膚炎の増悪につながることなどが明らかになった。皮膚の樹状細胞を除去したマウスで本モデルを行った場合に、T細胞の皮膚浸潤がどのようになるかなど、これから解析を進めていく。T細胞が抗原特異的に皮膚へ浸潤するモデルとの比較を通じて、T細胞の皮膚浸潤メカニズムに迫る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2024年4月に鹿児島大学へ異動することになったため
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今後の研究の推進方策 |
鹿児島大学皮膚科、京都大学皮膚科で研究を遂行する。鹿児島大学で動物実験を再開するにあたり、事務手続きに3か月~程度の時間を要する見込み。京都大学で継続可能な実験については、京都大学で進める。
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