研究課題/領域番号 |
22K08437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
村上 孝 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00326852)
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研究分担者 |
今井 孝 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10513434)
堀内 大 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30608906)
中村 彰宏 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50750973)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / メラノーマ / 分子標的 / 免疫原性 |
研究開始時の研究の概要 |
担がん患者の重度細菌感染による腫瘍縮退が観察される例があることから、特定の細菌感染を介した抗腫瘍免疫誘導の機序が示唆される。これまでに細菌学的がん治療の研究例があるものの、その抗腫瘍免疫誘導については不透明なままあった。本研究では、腫瘍細胞内細菌感染による特徴的な免疫誘導型細胞死を起点に、免疫原性細胞死のスイッチ分子の同定を目指す。そのシグナル伝達解明から抗腫瘍免疫増強の分子論的実態から新たながん創薬ターゲットを開発する。
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研究実績の概要 |
進行性悪性黒色腫(メラノーマ)の治療抵抗性の最大の要因は、その腫瘍内微小環境における著しい免疫応答性の低さにある。その腫瘍免疫原性を再プログラム化して治療奏効性を劇的に改善させる方法として、我々はサルモネラ菌(VNP2009株)のメラノーマ細胞内感染による細胞変性と細胞死が腫瘍免疫応答を促進することを明らかにした。本研究では、この分子論的な仕組みを明らかにし、腫瘍免疫原性を再編するスイッチ分子機構を追求することを目的としている。今回、赤色蛍光タンパク質tdTomatoで標識したサルモネラ菌株を作製し、標識細菌をsgRNA-ライブラリー細胞に感染させ、細胞変性・細胞死を回避して生き残った細胞を回収する手法をとった(CRISPR/Cas9ゲノム編集による機能的ゲノム・スクリーニング)。これまでに独立した2セット実験群でスクリーニングを実施し、次世代シークエンサー(NGS)解析によってsgRNA配列情報の抽出を行った。これら2セット実験群においてNGSリード数が共通して多い遺伝子をリスト化し、最終的に上位50遺伝子のリストを作成した。さらに解析したsgRNA配列情報から標的候補となるsgRNAのオリゴDNAを人工合成し、それらをレンチウイルスベクターにクローニングした(独立した50種類のレンチウイルスベクターを作成)。これら50種類の組み換えレンチウイルスベクターを、Cas9発現SK-MEL-28(SK-MEL-28-Cas9)メラノーマ細胞に導入した細胞プールを作成した。これら標的候補sgRNAを含む組み換えウイルスをプール分けしながら、致死的サルモネラ感染を耐過し、生存した細胞(コロニー)の解析から機能分子群の絞り込みを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
約19,000遺伝子に対するsgRNAライブラリのスクリーニングから50遺伝子の候補を絞り込み、それらの配列クローニングと組み換えウイルス作成グレードのプラスミド・ベクターの調整確認にやや手間取った。
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今後の研究の推進方策 |
約19,000遺伝子に対するsgRNAライブラリのスクリーニングから50遺伝子の候補を絞り込み、それらの発現ベクターの調整を終えた。今後はこれらから候補遺伝子について、単独もしくは複数候補の絞り込みと検定を進めていく。またヒト・マウス細胞に共通した細胞変性回避から種を超えて保存された分子機構の割り出しにも配慮したい。
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