研究課題/領域番号 |
22K08443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
金澤 伸雄 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90343227)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 皮膚炎症と発癌 |
研究開始時の研究の概要 |
表皮の異常増殖を特徴とする乾癬が有棘細胞癌の発生母地となるかどうかは以前より議論のあるところですが、紫外線などによる治療の修飾が加わって癌化の要因が複雑に絡み合うため、結論は出ていません。特に、汎発性膿疱性乾癬では炎症症状が全面に立ち、これまで癌化との関連はほとんど顧みられていません。本研究は、この炎症と癌化の関係について、サイトカイン関連遺伝子の変異によって慢性再発性に皮膚炎症が持続する汎発性膿疱性乾癬に有棘細胞癌を続発した患者検体において実際に見出された新しい遺伝子変異に着目し、それに伴う機能変化を細胞や個体レベルで検討することによって説明を試みるという、ユニークで新しい試みです。
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研究実績の概要 |
若年発症の汎発性膿疱性乾癬(GPP)に有棘細胞癌(SCC)を続発した複数の症例において、SCCの皮膚生検組織から抽出したゲノムでのIL36RN遺伝子変異を検討したところ、共通して既報告の疾患関連変異(ファースト変異)と新規の変異(セカンド変異)がダブルでホモに存在し、モザイクが示唆される症例もあることを見出した事実(未報告)に基づき、本研究では「IL36RN 遺伝子の先天性の機能喪失型変異によってGPP を発症し、さらに、継続する炎症に関連して局所で一部の表皮角化細胞に後天的に2 つ目の変異が入ったことによってその機能が変化し、あるいは何らかの機能が追加され、癌化に至った」との仮説について、その検証を行うことを目的とする。 本年は、まず山口大学下村裕教授との共同研究により、IL36RN遺伝子にGPP 関連ファースト変異と新規セカンド変異の一方のみあるいは双方を挿入したcDNA を用意し、塩基配列を確認した。また、和歌山県立医科大学改正恒康教授との共同研究により、マウスにおいても保存されているIL36RN 遺伝子のGPP関連ファースト変異と新規セカンド変異の一方あるいは双方を含むガイドRNAと、変異を導入するためのオリゴDNAを作成し、CRISPR/Cas9システムを用いてマウス受精卵の遺伝子改変を行い、ヘテロノックインマウスを樹立した。SPF化のため兵庫医科大学に卵から導入してマウス化し、現在繁殖中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度として行うべき最低限の準備はできたが、まだデータを取るまでには至っておらず、まだ準備や基礎実験が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、変異蛋白質の機能解析とノックインマウスの樹立解析の二本立てで研究を進める。2年目のうちにはデータ取得を行いたい。
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