研究課題/領域番号 |
22K08446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山田 武史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00733734)
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研究分担者 |
小林 真理子 筑波大学, 附属病院, 病院助教 (00932211)
土屋 輝一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40376786)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 免疫関連有害事象 / irAE腸炎 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は様々な進行癌に対して有効であり、標準治療としてその適応が拡大されています。一方で、副反応である免疫関連有害事象(irAE)を認める患者の増加も懸念されており、その病態理解・対処法開発が必要です。irAE腸炎は炎症性腸疾患(IBD)との類似も指摘されていますが、不明なことが未だ多い状況です。そこで、本研究ではIBD粘膜病態及び治癒機構解析の観点から、irAE腸炎の粘膜病態を理解し、IBD治療法が有効であるか検証することを目的としています。irAE腸炎の克服は更なるがん治療の発展が期待されることからも臨床的意義は大きいと考えています。
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研究実績の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は様々な進行癌に対して有効であり、標準治療としてその適応が拡大されています。一方で、副反応である免疫関連有害事象(irAE)を認める患者の増加も懸念されており、その病態理解・対処法開発が必要です。irAE腸炎は炎症性腸疾患(IBD)との類似も指摘されていますが、不明なことが未だ多い状況です。そこで、本研究ではIBD粘膜病態及び治癒機構解析の観点から、irAE腸炎の粘膜病態を理解し、IBD治療法が有効であるか検証することを目的としています。irAE腸炎の克服は更なるがん治療の発展が期待されることからも臨床的意義は大きいと考えています。そこで本研究は、1)irAE腸炎患者臨床検体による上皮病態・機能解析、2)irAE腸炎患者由来腸管オルガノイドによる病態・機能解析、3)IBD類似度評価によるIBD治療薬の有効性検証を軸として、腸管上皮細胞の機能におけるirAE腸炎の臨床病態的意義を明らかとする計画です。 本年度は、irAE腸炎患者臨床検体によるIBD病態因子の上皮病態・機能解析を行いました。具体的には、粘膜バリア機能、上皮脆弱性評価、炎症蓄積度評価を患者検体を用いて免疫染色により解析しました。粘膜バリア機能については杯細胞数・Atoh1・MUC2・TFF3の発現を内視鏡生検検体の病理標本からHE染色及び免疫染色にて1腺管中の杯細胞数、各蛋白陽性細胞数を測定しました。IBD治療薬の有効性検証については、最初にサラゾスルファピリジン(SASP)を選定する。軽症IBDの第一選択薬に位置しており、irAE腸炎軽症患者を対象にSASPによる治療について臨床研究審査委員会に承認され、試験を開始しています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した研究を遂行しており、順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の計画としては、IBD類似度評価システムを構築する。前年度に抽出したIBD上皮とirAE上皮との相違点について、スコアリングを行う。具体的には各解析項目をポイントとし、相同する点を+1、差異のある点を-1として加算し、数値が大きいほどIBDと類似性が高いとする。オルガノイド解析については、マイクロアレイ、RNAシークエンスによる網羅的遺伝子発現解析により、irAE腸炎上皮とIBD上皮との発現類似性をcluster dendrogramにて評価する。また、オルガノイド解析と臨床検体による組織解析に分けたスコアリングを解析し、臨床検体による組織解析のみのスコアにおいても相同性が反映されるかを確認する。最終的にはIBD治療薬の有効性を検証する。同意の得られた軽症から中等症のirAE腸炎10症例に対してSASPの安全性と有効性を探索的に評価する。上皮細胞機能と関係する臨床情報の探索を行う上で、臨床情報の収集を行う。臨床情報としては、年齢、罹病期間、疾患活動度(症状、内視鏡評価、CRP、便中カルプロテクチン、LRGなど)、ICI治療歴とする。また、10症例の内視鏡生検検体組織から計画4)に準じたIBD類似度スコアリングを行う。SASP治療後に上記の臨床情報を再度検査により評価し、SASPによるirAE腸炎の改善度を評価すると共にIBD類似度とSASP有効性が相関するかを検証する予定である。
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