研究課題/領域番号 |
22K08453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
皆川 健太郎 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80432574)
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研究分担者 |
若橋 宣 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80596651)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | TFL / Zc3h12d / Regnase / CART / 白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
Transformed follicular lymphoma gene (TFL)はT細胞のRNAの制御を通じて様々なサイトカインを分解する。また、脳内のCD4+T細胞のIL-17を調節することで、自己免疫性脳炎の維持に関わる。白血病治療におけるChimeric antigen receptor (CAR)-T細胞は、細胞の消耗が課題である。エフェクターメモリー細胞においてTFLの関与が注目されていることから、TFLをノックダウンしたCAR-T細胞が炎症を維持し、急性骨髄性白血病細胞に対する治療効果を高めるか検証する。病態に関わるサイトカイン群を同定し、TFLを制御する転写因子の解明も行う。
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研究実績の概要 |
我々が発見し、研究を進めてきたTransformed follicular lymphoma gene (TFL)はT細胞の増殖とともに発現量を増加させ、RNAの制御を通じて様々なサイトカインを分解する。また、脳内のIL-17を調節することで、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の慢性炎症維持に関わる。白血病治療で注目されるChimeric antigen receptor (CAR)-T細胞において、T細胞の消耗を克服するためにエフェクターメモリー細胞(TEM)の役割が注目されており、TEMにおいてTFLの関与が注目されていることから、我々はTFLを抑制したCAR-T細胞を、Crispr-Cas9システムを用いて作成し、TFLをノックダウンしたCAR-T細胞が長期の炎症を維持し、それによって急性骨髄性白血病細胞に対する治療効果を高めるかマウスを用いて検証する事を目的としている。今回、ペンシルバニア大学と神戸大学との共同研究においてCART細胞におけるTFLのノックダウンを試みた、当初はElectroporationの技術を用いてTFLの抑制を試みようと考えたが、ノックダウンの効率などが悪く、十分にTFLの発現が抑制されたCART細胞が作成できないため、現在ウィルスベクターを用いたノックダウンシステムを開発中である。これに関して、Crispr-Cas9システムのエキスパートである、若橋宣先生を共同研究者として加えた。共同研究者が加わることにより研究の進捗スピードが加速するものと期待される。次年度においてTFLの抑制されたCARTを用いた実験をさらに進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずはじめに、Crispr-Cas9システムを用いてTFLをノックダウンを行った。プロテイン-RNA複合体のトランスフェクションは、Neonトランスフェクションシステムを用いて作業を進めた。ノックダウン効率は、TFLの抗体を用いてフローサイトメトリーやウェスタンブロットで評価したところ十分なノックダウン効率が得られなかった。ノックダウンの後、CD3およびCD28で活性化の後、CAR-CD33レトロウイルスベクターをT細胞に導入する行程は問題なく行われた。T細胞の増殖後、CARの発現レベルをフローサイトメトリーで分析したところ十分なCARの発現を認めた。今後はノックダウンの効率を上げるためにウィルスベクターを用いたCrispr-Cas9システムの構築を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者に若橋宣先生を加え、実験の進捗速度を上げていく。まずはウィルスベクターを用いたCrispr-Cas9システムの構築し、安定してTFLが抑制されたCART細胞の作成を目指す。その後、TFLをノックダウンすることで、エフェクターメモリーT細胞が増加するかどうか検討する。次に放射線で照射したCD33+白血病細胞株(MV4-11)を用い、抗原刺激後のCARベクター導入後のCD4+およびCD8+T細胞のTFLの有無によるCART細胞の増殖能力を確認する。数回のCD33抗原刺激後のTFLノックダウンCART細胞による抗腫瘍効果の維持についても検討する。また、レポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)を導入したMV4-11を用い、CAR-T細胞の抗腫瘍効果についても、様々なエフェクター/ターゲット比で検討を行う。
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