研究課題/領域番号 |
22K08463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
神田 善伸 自治医科大学, 医学部, 教授 (30334379)
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研究分担者 |
仲宗根 秀樹 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50757903)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 免疫細胞療法 / 成人T細胞性白血病リンパ腫 / HTLV-1 / Tax / 遺伝子導入 / 成人T細胞性白血病 / 遺伝子導入細胞療法 |
研究開始時の研究の概要 |
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-I)を原因とする造血器腫瘍である。HTLV-Iに由来するTaxを認識するT細胞受容体の全長DNAを健常人末梢血単核球に遺伝子導入して作成した細胞傷害性T細胞(CTL)はHTLV-I感染細胞に対して強力な細胞傷害活性を発揮する。本研究では患者ATL細胞と健常者CD4陽性T細胞のRNA-Seq解析を行い、治療標的候補となる遺伝子を探索する。また、CTLの細胞傷害を回避した腫瘍細胞のsingle-cell RNA-seq解析を行い、免疫療法の障壁となり得る遺伝子を同定し、細胞傷害活性の向上や治療前奏効予測に役立てる。
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研究実績の概要 |
本研究ではTax特異的T細胞受容体遺伝子導入細胞傷害性T細胞の効果をさらに高めるために、以下のリサーチ・クエスチョンについて明らかにする。 (1) 健常者CD4陽性T細胞と比較して患者ATL細胞にはどのような遺伝子の発現の変化がみられるか? (2) CTLの奏効をさまたげる遺伝子の発現上昇はあるか? (3) 今後のATLに対する治療標的の候補となる遺伝子はあるか? (4) CTLが奏効しないATL細胞に特徴的な遺伝子発現はあるか? 実際には、患者ATL細胞と健常者CD4陽性T細胞について、次世代シーケンサーによるRNA-Seq解析を行い、Tax、PD-L1に限らず、網羅的に転写産物の発現定量化を行い、今後の治療標的の候補となる遺伝子を探索している。令和4年度は健常者CD4陽性T細胞と比較して患者ATL細胞にはどのような遺伝子の発現の変化がみられるかの解析を行い、患者と健常者で、細胞分裂にかかわるBIRC5、PLK1、EZH2などの発現の違いが認められた。また、CTLの奏効をさまたげる遺伝子の発現上昇はあるかについては、CTLでHLA-Class II分子の発現やT細胞分化にかかわる遺伝子群の発現に差異がみとめられ、現在症例を蓄積している。さらに、今後のATLに対する治療標的の候補となる遺伝子の探索については、ATL患者検体のRNA-seqより、ある候補キナーゼの活性を認めたことから、このキナーゼ阻害による治療効果をin vitroで検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定している研究項目のうち、「CTLが奏効しないATL細胞に特徴的な遺伝子発現はあるか?」については未実施であるが、その他の項目については順調に進展し、成果が得られてている。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進んでおり、遂行する上での課題は特に感じていない。研究を進めるにあたってサンプルの入手が重要であり、他の医療機関との連携を深めてサンプルの入手に努める。
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