研究課題/領域番号 |
22K08465
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鈴木 進悟 東海大学, 医学部, 助教 (30589776)
|
研究分担者 |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 教授 (00317744)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 造血幹細胞移植 / 急性GVHD / HLA / 急性移植片対宿主病 / ヒト白血球抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
急性移植片対宿主病 (aGVHD)は、同種造血幹細胞移植(HCT)後に早期に起こる移植片の宿主に対する重大な合併症である。本疾患はヒト白血球抗原(HLA)一致のHCTであっても頻繁に観察される。申請者らはHLA-A座のテロメア側に位置する約100 kb からなる連鎖不平衡(LD) ブロック内にaGVHDと強く関連する遺伝的多型を見出した。そこで本研究では、このゲノム領域の疾患関連解析を詳細に進め、真のaGVHD 関連多型を同定し、それがaGVHD 発症に影響を及ぼす分子機序を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
急性移植片対宿主病 (aGVHD)は、古典的HLA遺伝子5座 (HLA-A, -B, -C, -DRB1, -DQB1) を患者・ドナー間でマッチさせた骨髄移植症例であっても約半数の症例で発症する。申請者らは、その分子機序を理解にするためのaGVHD 関連解析を先行的に実施した結果、HLA-A座のテロメア側に位置する150 kbからなる連鎖不平衡 (LD) ブロック内にaGVHDと強く関連する遺伝的多型をHLA-F-AS1座に同定した。しかし、HLA-F-AS1座そのものが急性GVHDと相関するのか、それともLDブロック内の別の座位がより強い感受性を示すのかについては不明である。そこで、HLA-F-AS1座が座位するLDブロックにおける網羅的な多型解析を実施し、得られるSNPs情報を用いたゲノム相関解析から真のaGVHD感受性多型を同定することを目的とした。 急性GVHDの重症度を考慮して選抜した患者・ドナー99ペア (計198検体)を供試し、Long-ranged PCR法を用いてLDブロックにおける網羅的な多型解析を次世代シーケンサーにより実施した。その結果、198検体から、データベースに登録されている1573箇所および未登録の262箇所の合計1835箇所のSNPsを検出した。次いで、得られた多型データにおける患者・ドナー間でのマッチおよびミスマッチの分布を比較したところ、150kbの内、テロメア側の約130kbに患者・ドナー間でのミスマッチが集中し、残り20kb中のSNPsはその殆どが患者ドナー間で一致するSNPsであった。今後は、得られた多型データを用いてaGVHD発症群と非発症群間、さらにはaGVHDのグレード別に分けた統計解析を実施することで、真のaGVHD感受性多型の同定を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、患者・ドナー99ペア (計198検体)を供試し、Long-ranged PCR法を用いてLDブロックにおける網羅的な多型解析により網羅的な多型を抽出した。さらに、得られた多型の患者・ドナー間でのマッチおよびミスマッチの分布を明確にした。これらのことから、本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
得られたSNPsデータを用いてドナーと患者間で比較し、両者間の適合度と急性GVHDとの間で相関解析を行い、急性GVHDと相関する感受性多型を特定する。さらに相関解析により特定された感受性多型からDNA多型マーカーを設定し、フォローアップ検体のジェノタイピングを行うことで、真のaGVHD感受性多型の同定を目指す。
|