研究課題/領域番号 |
22K08470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
錦井 秀和 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30512834)
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研究分担者 |
須藤 和寛 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専門技術員 (10392002)
山崎 聡 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (50625580)
坂本 竜弘 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60815398)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 巨核球 / トロンボポエチン / 血小板 |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞移植後の遷延する血小板減少症は、移植後患者の致命的な出血合併症の原因となる。特に臍帯血移植では造血回復遅延特に血小板造血回復の遅延が問題になることが多いが、この原因は臍帯血中に含まれる造血幹細胞(HSC)の絶対数及びHSCの分化能のばらつきであると想定されている。本研究課題では、ヒト造血幹細胞内の分化プログラム制御の分子基盤を1細胞レベルでの分化能評価、遺伝子発現プロファイリングにより明らかにするとともに、効率よく巨核球・血小板を供給することができるヒトMeg-biased HSCの同定及び増幅・移植後の体内動態評価を行い、移植後の血小板減少症に対する治療応用を最終目標とする。
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研究実績の概要 |
ヒト造血幹細胞内の分化プログラム制御の分子基盤を1細胞レベルでの分化能評価、遺伝子発現プロファイリングにより明らかにするとともに、効率よく巨核球・血小板を供給することができるヒトMeg-biased HSCの同定及び増幅を行い、移植後の血小板減少症に対する治療応用を最終目標とし、ポリマー化学物質を用いた新規造血幹細胞培養法の確立を目指して研究を行った。特に巨核球分化・造血幹細胞増幅に必須の役割をになるトロンボポエチン(TPO)/MPLシグナルに注目し、現在臨床で用いられているトロンボポエチン受容体アゴニスト(TPO-RA)の造血幹細胞への作用を、申請者が参加した研究グループで最近樹立した新規ヒト造血幹細胞培養システム(Sakurai and Ishitsuka et al. Nature 2023)および、ヒトMPLをKnockinした遺伝子改変マウスと造血幹細胞が蛍光識別可能となるHlf td tomatoレポーターマウスを交配したマウスを用いてTime lapse imagingとマルチカラーフローサイトメトリー で評価した。 その結果、現在臨床で用いられ造血幹細胞増幅作用を有すると考えられているRomiplostim・ Eltronbopagと比較し、Lusuturombopagがより高い造血幹細胞増幅作用を試験管内では有しており、Time lapse imagingでは造血幹細胞と他の分化細胞で異なる挙動を示すことが明らかとなった。現在詳細なメカニズムの解析および、移植実験による幹細胞活性の評価を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト細胞を用いたデータのばらつきが多いことと、シングルセルによる機能解析が困難であることが原因で造血幹細胞の不均一性を明確に示すことが現状では困難であったため、ヒトMPLをノックインした遺伝子改変マウスでの実験も並行したが、マウスとヒトでHSCのシグナル動態が異なる可能性も示唆され、解釈の難しい結果となっている。
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今後の研究の推進方策 |
現在のデータは論文化を急ぎ、今後はヒト細胞での実験により焦点を当てて研究を進めていく予定としており、新規シングルセル解析システムの導入を検討している。
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