研究課題/領域番号 |
22K08472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森 毅彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70296581)
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研究分担者 |
三木田 馨 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40793881)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トキソプラズマ症 / 造血幹細胞移植 / PCR / 等温遺伝子増幅法 / Toxoplasma gondii |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞移植後は免疫不全から様々な病原体による感染症を発症し、しばしば致命的となる。その中でToxoplasma gondii(T. gondii)によるトキソプラズマ症ではPCRの有用性が十分には検討されておらず、臨床応用が可能であるかは明らかでなく、我が国では診療においてPCRが実施できない。本研究では造血幹細胞移植後の患者におけるトキソプラズマ症の診断およびT. gondiiの再活性化の早期検出におけるPCRの有用性を明らかにする。PCRの有用性が明らかになり、広く利用可能となることで、トキソプラズマ症の正確な診断、病態の解明、予後の改善に貢献できると考えられる。
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研究実績の概要 |
予後が極めて不良なトキソプラズマ症の診断および抗体陽性者において再活性化の早期検出にPCRが有用であるかが不明あるため、自施設および他施設の造血幹細胞移植患者を対象にトキソプラズマ症の診断およびT. gondiiの再活性化の早期検出におけるPCRの有用性を明らかにすることを目的としている。 令和4年度は実施計画にある①確定診断例の臨床検体は該当症例がなく、②トキソプラズマ症が疑われる症例の臨床検体からのPCRによるT. gondiiの検出および③トキソプラズマ抗体陽性者のPCRによるT. gondii再活性化のモニタリングのための検討が実施された。自施設および他施設からの症例を対象とした。陰性例が多かったが、一部には陽性となる検体があり、その結果に基づきトキソプラズマ症に対する治療が開始され、有効であった症例もあった。その症例は救命に至り、症例報告を投稿した。 本研究ではnested PCRを用いた系による検討を行っているが、その検査法は特異度は高いものの、感度が十分でないことが明らかになった。その限界を解消するために、同じ遺伝子増幅法であるが、等温遺伝子増幅法であるLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法の開発を進めている。陽性コントロールを用いて検討では、nested PCRと同程度の感度であったが、臨床検体では69.2%とnested PCRの46.1%よりも高い感度が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に自施設および他施設からの臨床検体を受け入れ、研究を継続している。トキソプラズマ症は稀少疾患であるため、十分な症例数を蓄積するためには残り2年の研究期間を用いて研究を継続する。 また従来までのnested PCRに加えて、より感度が高く、迅速性のある等温遺伝子増幅法であるLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法の検討も順調に進んでおり、さらに高い感度の検査系の樹立が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度以降も自施設および他施設からの臨床検体を受け入れ、臨床検体からのトキソプラズマDNAを遺伝子増幅して臨床にfeedbackする研究を継続する。 Nested PCRより高感度で簡便であり、独自に開発中の等温遺伝子増幅法であるLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法の検討をさらに進める。
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