研究課題/領域番号 |
22K08474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 裕一 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (80721092)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / セリンプロテアーゼ / 好中球エラスターゼ / 造血器腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病(AML)は難治性悪性疾患の一つであり、半数以上の症例で再発が認められる。本研究では、再発・難治性AML患者細胞の網羅的解析から同定した、AML細胞におけるセリンプロテアーゼである好中球エラスターゼ遺伝子群の高発現と異常転写産物発現に着目する。細胞株、マウス白血病細胞、ヒト白血病細胞を用いて、白血病細胞における好中球エラスターゼの発現と細胞内シグナル伝達経路、AMLの分子病態、治療抵抗性メカニズムとの関わりについて検討し、本研究によりAMLの発症基盤、および治療抵抗因子の解明、新たな疾患層別化モデルの構築、それらを標的とする新規治療法の開発につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究ではAMLで高発現する好中球エラスターゼ遺伝子群、新たに同定された新規変異転写産物のAML細胞における発現の特徴、その臨床的意義を明らかにするとともに、同遺伝子の高発現と異常転写産物の白血病発症ならびに治療抵抗性に関わる機序の解明と同分子を標的とする新規治療法の可能性についての検証を目的に、昨年度に引き続きAML患者試料を用いて、好中球エラスターゼ遺伝子群の発現量について定量PCR解析を実施した。臨床情報、病型、遺伝子変異等との関わりについて解析を行うとともに、AML臨床検体を既存もしくは開発中の抗悪性腫瘍剤、分子標的薬、エラスターゼ阻害薬と共に培養し、これら薬剤の細胞増殖抑制効果をin vitroで検証し、それら薬剤の感受性と好中球エステラーゼ遺伝子発現について解析した。 また、ヒト白血病異種移植モデル、マウス白血病モデルを用いた好中球エラスターゼ発現と白血病治療感受性との関わりおよび治療標的としての検討として、難治性AML患者細胞から樹立した患者由来AML細胞異種移植マウスモデル(AML-PDX)、マウス同系AMLモデルに白血病治療薬、分子標的治療薬を投与した後に経時的に残存腫瘍細胞を採取、好中球エラスターゼ遺伝子群の発現量と治療感受性、各薬剤による特徴について検討を行った。さらに、同様の治療が実施された治療前後の患者試料を用いてこれらの遺伝子群の発現解析を実施し、各AML治療感受性、治療抵抗性と好中球エラスターゼ遺伝子群発現との関わりについて明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AML患者試料を用いた好中球エラスターゼ遺伝子群の発現定量解析を進め、臨床情報、染色体異常、遺伝子異常などのAML病型との関連についての解析を実施、分子標的治療に対する感受性との関わりについて検討を行った。また、in vitroモデル、AML-PDXを用いたin vivoモデルでの薬剤感受性並びに治療後残存細胞における発現状況、治療抵抗性との関わりについても進めている。また、ノックダウン等による機能解析についても予定通り準備を進めており、概ね予定通りに順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
AML細胞おける好中球エラスターゼ遺伝子群の発現と関連する病型、併存する分子異常、薬剤感受性との関わりについて解析を進めるとともに、白血病細胞株、AML臨床検体で好中球エスタラーゼを欠損もしくは過剰発現させ、細胞死、細胞増殖への影響を検証する。好中球エラスターゼ遺伝子発現による細胞内シグナル伝達経路への影響、AMLの発症、進展、治療抵抗性との関わりについて当初の計画通りに進める。
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