研究課題/領域番号 |
22K08483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (30291587)
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研究分担者 |
桑原 康通 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30590327)
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80315936)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 転写因子 / 白血病 / リン酸化 / Yeast Two-Hybrid / 染色体転座 / キナーゼ / 翻訳後修飾 / クロマチンリモデリング / RUNX1 / 造血発生 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究によって、造血の転写制御の異常が白血病発症に関与する、というパラダイムが確立している。本研究で着目するRUNX1/AML1についてはその転写活性化作用の低下または亢進が造血器腫瘍の発症に確実に関与することが明らかにされてきた。当該研究はこの転写因子機能の徹底的検討によってその活性を細胞外から制御する方法を確立し、もって新たな造血器腫瘍治療法の開発へ貢献することを目指すものである。
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研究実績の概要 |
本年度はRUNX1のリン酸化修飾について、ひきつづき、単一アミノ酸変異体とコンパウンド変異体を用いて、その生化学的・生物学的帰結の検討を進めている。 また、Yeast-Two Hyrid法で特定された新規RUNX1会合分子であるCRP-1については、そのヘテロ接合マウスと(ホモ接合は致死的であるため)RUNX1ヘテロ接合(こちらもホモ接合は胎生致死となる)とのコンパウンドマウスを作製して個体における生物作用の解明を試みている。 他方、RUNX1の標的遺伝子として特定した、がん遺伝子関連キナーゼ遺伝子、2つの免疫関連遺伝子、1つの細胞周期関連遺伝子、そして神経系キナーゼ遺伝子については、その詳細の検討を続けている。 こうしたなか、RUNX1がクロマチンリモデリング因子複合体であるSWI/SNF複合体と会合し、機能協調している可能性が示唆された。当該研究室での検討では、確かにRUNX1はSWI/SNF複合体と共沈降することを確認した。また、SNF5を欠く不完全なSWI/SNF複合体もRUNX1と会合することを見出した。私たちの初期データでは、この会合はRUNX1のC末端ドメインを介するものであった。小児の悪性ラブドイド腫瘍由来細胞株はSNF5を欠くため、クロマチンリモデリングの実験系として有用となることが知られている。RUNX1作用の詳細の解明のうえで補完的に資するものと期待して、私たちはこの細胞系を用いて、RUNX1の作用にクロマチンリモデリング因子がどのように関与するのか、検討を開始している。 この、クロマチンリモデリング複合体については、RUNX1などの造血系転写因子群との相互作用に関する知見も含め、現時点での理解をまとめて総説にして発表した。当該研究の次のステップに向かっての進行に際し、現在地点を明確にしておく意義があるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CRP-1変異マウスとRUNX1変異マウスのかけ合わせの進展にやや困難を生じている。両者ともにヘテロ接合体で維持・ハズバンドリー拡大を行わなくてはならないことが一つの原因となっている。しかしながら、コンパウンドマウスが致死になるわけではないことが判明したことから、粘り強く交配等を行って結論を求めてゆくという対処で克服したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当該研究で進めているプロジェクトについては、次年度で一定の結論を得られることを目標として、進めて行きたい。
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