研究課題/領域番号 |
22K08485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
古和田 周吾 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30418884)
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研究分担者 |
岡野 良昭 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60871720)
阿保 亜紀子 (八嶋亜紀子) 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 講師 (80326686)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 血小板 / 巨核球 / T細胞 / 末梢血液 / 骨髄 / 肺 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、血小板は止血機能に特化した細胞であると考えられてきました。しかし最近になり血小板の止血以外の働き、例えば免疫反応に積極的にかかわり、感染症や免疫病態に関与する機能を持っている事が明らかになりつつあります。本研究は、これらの個々の血小板の機能の違いがどのように生じて、血小板の関連する病気においてどのように関与しているのかを研究するものです。
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研究実績の概要 |
本研究の作業仮説(巨核球は免疫環境や血管内のの環境の変化により、血小板産生の場(肺及び骨髄)を選択し、生み出される血小板の性質や機能は、それぞれの場により異なる)を検証する為に本年度は以下の検討を行った。①ヒト末梢血中から巨核球(CD41陽性の有核細胞)を検出しその性質を調べた。②ヒト末梢血液中のCD41細胞の出現率の横断的、縦断的変化を調べた。検討の結果、健常人末梢血液中にはごく少数であるがCD41陽性細胞が検出される。しかし骨髄巨核球に比べ細胞質の成熟度及び細胞のサイズは小さく、形態的な違いが明らかであった。②その出現頻度は大きく変わらないが、フローサイトメトリーによる表面抗原の解析ではT細胞とのinteractionを示唆するphenotypeの違いが、個体差が大きいいこと。③特定の原因による血小板減少症では出現頻度が低下している可能性が高いこと。などが明らかになりつつある。これらから免疫病態においてCD41陽性細胞の動態が異なることが示唆され、新たに特定のT細胞胞との関連が示唆された。その為に特定のphenotypeを持つT細胞(TCF1陽性)が、血小板を含めた様々な細胞より刺激を受ける際に、血小板もしくは巨悪球の影響を強く受けている間接的な示唆を得た。以後は解析するtargetの細胞は、血小板に加え、巨核球、T細胞、樹状細胞を網羅する必要が出てきている。今後、それらの細胞から生み出される血小板がどのようなphenotypeの違いを持つのか詳細に検討する予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①健常人末梢血液中にはごく少数であるがCD41陽性細胞が検出される。しかし骨髄巨核球に比べ細胞質の成熟度及び細胞のサイズは小さく、形態的な違いが明らかであった。②その出現頻度は大きく変わらないが、フローサイトメトリーによる表面抗原の解析ではT細胞とのinteractionを示唆するphenotypeの違いが、個体差が大きいいこと。③特定の原因による血小板減少症では出現頻度が低下している可能性が高いこと。などが明らかになりつつある。予想外にT細胞、樹状細胞との関連が示唆されたために、以後は解析するtargetの細胞は、血小板に加え、巨核球、T細胞、樹状細胞を網羅する必要が出てきている。今後、それらの細胞から生み出される血小板がどのようなphenotypeの違いを持つのか詳細に検討する予定。
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今後の研究の推進方策 |
上記に述べたように、予想以上に他の免疫細胞との関連が示唆された為に、以後は解析するtargetの細胞は、血小板に加え、巨核球、T細胞、樹状細胞を網羅する必要が出てきている。今後、それらの細胞から生み出される血小板がどのようなphenotypeの違いを持つのか詳細に検討する予定。ヒトでの解析を中心に行う必要がある。
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