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先天性貧血を引き起こすmRNA特異的な翻訳調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08508
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
研究機関宮崎大学

研究代表者

上地 珠代  宮崎大学, 医学部, 准教授 (10381104)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードリボソームタンパク質 / 貧血 / ゼブラフィッシュ / ゲノム編集 / 翻訳 / リボソーム病
研究開始時の研究の概要

リボソームの生合成に関わる因子の変異が、翻訳のファインチューニングに影響を及ぼし、様々な疾患(リボソーム病)が発症すると推測している。先天性の赤芽球癆であるダイアモンド・ブラックファン貧血(DBA)はリボソーム病の一つである。先行研究では、特定のリボソームタンパク質(RP)の欠損が、特定の遺伝子の翻訳効率の低下を招くことを、ゼブラフィッシュのDBAモデルを用いて明らかにした。本研究では、翻訳開始因子eIF3に着目し、赤血球造血に関与する遺伝子の翻訳にeIF3がどのような役割を果たすのか、ゼブラフィッシュを用いたin vivoの系で探求する。

研究実績の概要

リボソームの生合成に関わる因子の異常が、様々な疾患の原因になり得ることが強く示唆されている。これらは「リボソーム病」と呼ばれ、mRNA翻訳の際のファインチューニングの乱れにより発症すると推測している。先天性の赤芽球癆であるダイアモンド・ブラックファン貧血(DBA)はリボソーム病の一つである。これまでに、ゼブラフィッシュのDBAモデルにおいて特定のリボソームタンパク質(RP)の欠損が、特定の遺伝子(造血や糖鎖修飾に関与)の翻訳効率の低下を招くことを見出した。しかし、その翻訳調節の分子機構を解く手がかりはつかめていない。本研究では、異常リボソームと翻訳開始因子との関係に着目し、赤血球造血に関与する遺伝子の翻訳調節の分子メカニズムを、ゼブラフィッシュを用いたin vivoの系で探求することを目的とする。
DBA患者の25%で変異が確認されるRPS19遺伝子のゼブラフィッシュオーソログ(rps19)をモルフォリノアンチセンスオリゴ(MO)でノックダウンした胚からショ糖密度勾配遠心によりポリソーム分画を得て、網羅的定量プロテオーム解析を行った。約2,000種類のタンパク質の同定および計量データを得ルコとができ、クラスター解析、GOterm解析などを行っている。また、新たな試料セットを用いたプロテオーム解析を進めている。
また、患者と同じ変異をもつゼブラフィッシュのDBAモデルを作製するために、ゲノム編集技術によるミスセンス変異の導入を試みている。複数のsgRNAを用いる、ssODNの配列デザインを工夫するなどの試みを継続して行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ポリソーム分画のプロテオーム解析を行うことで、翻訳開始因子を含めた翻訳活動を行うリボソームに結合するタンパク質群のデータを得ることができた。LC-MS解析を行うための試料の調製法を確立できたため、今後もスムーズに解析を進めることができると考えている。そのため、研究はおおむね順調に進捗していると判断した。

今後の研究の推進方策

DBAの原因遺伝子として同定されている複数のRP遺伝子について、ゼブラフィッシュを用いてノックダウン胚、またはゲノム編集胚を作製する。異常リボソームによる翻訳調節の変化を捉えるために、作製したゼブラフィッシュのDBAモデルからポリソーム分画を得てプロテオーム解析を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Landscape of driver mutations and their clinical effects on Down syndrome-related myeloid neoplasms2024

    • 著者名/発表者名
      Sato Tomohiko、Yoshida Kenichi、...、Matsuo Hidemasa、...、Ito Etsuro
    • 雑誌名

      Blood

      巻: - 号: 25 ページ: 2627-2643

    • DOI

      10.1182/blood.2023022247

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] ゼブラフィッシュのリボソーム病モデルを用いた未知の翻訳制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      上地珠代,長友麻里子,中島由香里,吉浜麻生,鈴木穣,剣持直哉
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Translational efficiency of mRNAs required for hematopoiesis were decreased in a zebrafish model of Diamond-Blackfan anemia2023

    • 著者名/発表者名
      Tamayo Uechi, Mariko Nagatomo, Yukari Nakajima, Yutaka Suzuki, Naoya Kenmochi
    • 学会等名
      国立遺伝学研究所国際シンポジウム:Toward understanding of mechanisms of human diseases: Challenges using model organisms 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Translational efficiency of mRNAs required for hematopoiesis were decreased in a zebrafish model of Diamond-Blackfan anemia2023

    • 著者名/発表者名
      Tamayo Uechi, Mariko Nagatomo, Maki Yoshihama, Yukari Nakajima, Yutaka Suzuki, Naoya Kenmochi
    • 学会等名
      第24回日本RNA学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] リボソームタンパク質とmRNA選択的な翻訳調節:ゼブラフィッシュを用いた解析2022

    • 著者名/発表者名
      上地珠代,中島由香里,長友麻里子,吉浜麻生,鈴木穣,剣持直哉
    • 学会等名
      第45回分子生物学学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ゼブラフィッシュを用いたリボソーム病の発症機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      上地珠代,長友麻里子,剣持直哉
    • 学会等名
      第45回分子生物学学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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