研究課題/領域番号 |
22K08513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
志村 勇司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00714685)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | MDSC / 多発性骨髄腫 / 免疫療法 / micro RNA / exosome / 腫瘍免疫 / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤やCAR-T療法といった腫瘍に対する免疫療法は今後ますますの発展が期待されています。免疫療法の障害となりうる「腫瘍による抗腫瘍免疫抑制」に重要な役割を持つ骨髄由来抑制系細胞(MDSC)を制御することで、このような免疫療法がより効果的になり、難治性とされる多発性骨髄腫や低悪性度成熟B細胞性リンパ腫といった血液疾患の根治を目指せる新たな治療戦略を創り出すことがこの研究の大きな目標です。
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研究実績の概要 |
本研究は、成熟B細胞性腫瘍、主に形質細胞性腫瘍による骨髄由来免疫抑制系細胞(Myeloid-derived suppressor cell: MDSC)誘導の機序を解明し、免疫療法の効果増強・抵抗性克服のための治療法開発を目標としている。2022年度は、腫瘍由来エキソソーム(Tumor-derived exosome: TEX)内に含まれる候補micro RNAの中から、MiR-106a-5pおよびMiR-146a-5pが正常末梢血単核球からMDSCを誘導しうること、これら候補micro RNAは細胞内よりもTEX内に高発現していることを見出した。次に、候補分子による末梢血単核球内の変化を確認したところ、IDO1、CD38、PD-L1、CCL5といった分子の発現が亢進しており、pathway解析によりIFN-alpha、IFN-gamma、Inflammatory responseに関連した分子の発現亢進が示唆された。また、これらMicro RNAは相補的に働くとともに、我々が過去に報告したMDSC誘導能を持つ液性因子(CCL5、MIF)とも協調してMDSCを誘導することも確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画として、①MDSC誘導能を持つMicroRNAの同定、②多発性骨髄腫細胞由来のTEX内におけるMicroRNA発現の解析、ならびに①で同定した分子の発現亢進確認、③同定したMicroRNAに対するインヒビター効果の確認、最適な阻害効果を有する組み合わせの決定、④生体内投与にも応用できる最適なMicroRNAデリバリーシステムの開発、⑤臨床検体における効果の検証、を挙げている。2022年度に計画していた①②について、ほぼ目標どおりに成果を達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、③同定したMicroRNAに対するインヒビター効果の確認、最適な阻害効果を有する組み合わせの決定、④生体内投与にも応用できる最適なMicroRNAデリバリーシステムの開発、⑤臨床検体における効果の検証、を進めていく予定である。また、他の成熟B細胞性腫瘍についても同様のMDSC誘導能に関する検討を追加して行う予定である。
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