研究課題/領域番号 |
22K08516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
花村 一朗 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70440740)
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研究分担者 |
太田 明伸 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (30438048)
シバスンダラン カルナン 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30557096)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | KRAS / RAS / myeloma / target therapy / CRISPR-Cas9 / gene editing / 骨髄腫 / ゲノム編集 / 阻害剤 / 標的治療 / CRISPR-cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄腫は、治癒不能なため新しい治療が必要である。KRAS変異は、骨髄腫患者の約2割で認められる腫瘍増悪因子であるが特異的治療はない。我々は、独自に、野生型KRASを活性型KRAS変異に改変したヒト骨髄腫細胞株を樹立した。本研究の目的は、骨髄腫におけるKRASネットワークの解明と、KRAS変異骨髄腫に対する新規候補薬の創出である。本研究では、すでに樹立した活性型KRAS変異改変細胞と野生型KRAS親細胞を用いて、マイクロアレイや化合物ライブラリーなどで比較解析を行い、KRASネットワークや候補阻害剤を探索する。本研究は、KRAS変異を持つ多くのがん治療に応用が可能で、波及効果は極めて大きい。
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研究実績の概要 |
CRISPR-Cas9ゲノム編集術を用いて、ヒト骨髄腫細胞株Sachiの野生型KRASを、KRAS-G12Aに改変した、細胞クローンを独自に樹立した。KRAS野生型の親Sachi細胞と、樹立したKRAS-G12A改変細胞とで、MTTアッセイなどを行い、KRAS-G12A改変細胞では、KRAS野生型親細胞と比較して、細胞増殖能などが亢進することを確認した。KRAS-G12A改変細胞とKRAS野生型の親細胞とで、cDNAマイクロアレイ(Agilent社)を行い、発現レベル差が大きい遺伝子を特定し、さらに蛋白レベルでも有意な発現差が認められる分子について、臨床意義の解析を試みた。また、KRAS-G12A改変細胞とKRAS野生型の親細胞とで、阻害剤ライブラリー(Selleck社)スクリーニングを行い、KRAS-G12A変異改変細胞により効果の高い、候補化合物を複数特定した。個々の候補化合物の効果をMTTアッセイなどで検証し、現在は、臨床導入可能な薬剤の選定を行っている。 このように、本年度は、①新規のKRAS-G12A変異骨髄腫関連分子の臨床意義の検討とともに、②KRAS-G12A変異骨髄腫に対する候補阻害剤の検証、などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
未報告のものも含め、KRAS変異骨髄腫細胞で活性化する分子が予想以上に多く、それら分子の病的意義や、治療標的価値の評価に難渋している。 同様に、KRAS変異細胞に、より高い殺細胞効果を示す候補阻害薬剤も多く、臨床導入を目標とした場合の候補薬の選定に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
KRAS活性化に関連した分子の病的意義や治療標的価値の検討に関しては、新規に見出した分子に注力して、研究をすすめる。 阻害剤ライブラリーのスクリーニングから判明した候補薬の選定に関しては、特許期間が10年以上残っている市販薬に注力してすすめる。
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