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関節リウマチにおけるDNAメチル化ダイナミズムの解明とエピゲノム創薬に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 22K08534
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
研究機関川崎医科大学

研究代表者

中野 和久  川崎医科大学, 医学部, 教授 (50406500)

研究分担者 向井 知之  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00454421)
守田 吉孝  川崎医科大学, 医学部, 教授 (50346441)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード関節リウマチ / サイトカイン / エピジェネティクス / DNAメチル化 / ヒストン修飾
研究開始時の研究の概要

代表的な自己免疫疾患である関節リウマチ(RA)においては、エピゲノム異常が滑膜の攻撃的な表現型の獲得に関与する。このエピゲノム異常にはRAの病態形成に主要な炎症性サイトカインによる刺激が関与することも報告されるが、詳細な分子基盤は不明である。
本研究ではRAの滑膜構成細胞である線維芽細胞様滑膜細胞において、DNAメチル化ダイナミズムを担うDNA脱メチル化酵素であるTETファミリーを軸に、炎症性サイトカインによるTET分子の制御とヒストン修飾への関与、これらに基づくFLSの機能の変質を明らかにする。また、関節炎モデル・ヒト検体(細胞)を用いた解析で、RAに対するエピゲノム創薬を目指す。

研究実績の概要

代表的な自己免疫疾患である関節リウマチ(RA)の疾患慢性化、および治療抵抗性の獲得にはエピゲノムの変化が関係する。本研究の目的は、RAの滑膜炎症において中心的役割を果たす炎症性サイトカインTNFによるDNA脱メチル化酵素TET3の発現誘導(TNF-TET3軸)に焦点をあて、ヒトRA患者由来線維芽細胞様滑膜細胞(FLS)におけるヒストン修飾への関与とこれらに基づくFLSの機能の変質、さらには関節炎モデルマウスを用いて、TNF-TET3軸がFLSの包括的なエピゲノム変化に果たす役割を明らかにすることである。
これまで、RA患者由来FLSを使用し、siRNAを用いてTET3をノックダウンし、TNF刺激の有無で、網羅的に発現遺伝子の差を評価した。TNF刺激の有無、TET3ノックダウンの有無による4群間で発現に有意差が示された遺伝子において、クラスター解析を行ったところ、52個の TET3介在性 TNF誘導性遺伝子が抽出され、好中球の遊走に関与する CXCL8, CXCL5などのCXC-ケモカイン、MYOCD, CNN1, ITGB3などのmigrationに関与する遺伝子、LIFやIL1Bなど炎症をさらに増幅させうる遺伝子、KIT, RELBなどのproto-oncogenes、IFI44LやOAS1, RSAD2などのIFN誘導性遺伝子、TNFAIP3やFADS2などのRAリスクSNP 遺伝子の他、NEFM, SCG2, NTRK3などの神経系に関与する遺伝子が見つかった。これらの検討からはRAのFLSにおいて、TNF- TET3 axisはパンヌスの構成に重要な遺伝子群の発現調節を担うことが示唆された。また、K/BxN血清移入関節炎モデルにおいては、野生型に比較してTET3のヘテロノックアウトマウスでは、パンヌス形成の抑制とともに、関節炎や骨破壊が抑制されることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本実験において最も重要な試薬がTET1、TET2、TET3の抗体であるが、従来使用してきた抗体が製造中止となった。そのため、実験で使用可能な抗体について、組織染色などから精査を行った。また、RA患者の滑膜組織も不足している。

今後の研究の推進方策

RA患者の滑膜組織を充足させるため、近隣の整形外科に協力を要請している。また、他の臓器の線維芽細胞においてもTET3の発現誘導とその調節機構が解析可能かを調べるため、皮膚の線維芽細胞を各種サイトカインで刺激してTETの発現を評価中である。
さらに、今年度は、治療抵抗性のRA患者におけるエピゲノム異常を明らかにするために、当講座におけるRA患者レジストリーから、①生物学的製剤/JAK阻害剤の中で2種類以上の作用機序の薬剤を使用したにも関わらず疾患活動性が中等度以上で残存するRA患者群、対照として②健常コントロール群、③MTX治療のみで寛解に到った患者群から、血漿中のセルフリーDNAを測定し、候補遺伝子のメチル化/脱メチル化DNAのレベルを解析する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Role of DNA dioxygenase Ten-Eleven translocation 3 (TET3) in rheumatoid arthritis progression.2022

    • 著者名/発表者名
      Kawabe A, Yamagata K, Kato S, Nakano K, Sakata K, Tsukada YI, Ohmura K, Nakayamada S, Tanaka Y.
    • 雑誌名

      Arthritis Research Therapy

      巻: 24 号: 1 ページ: 222-222

    • DOI

      10.1186/s13075-022-02908-5

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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