研究課題/領域番号 |
22K08535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 広島大学 (2023) 久留米大学 (2022) |
研究代表者 |
山崎 聡士 広島大学, 病院(医), 研究員 (30367388)
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研究分担者 |
井田 弘明 久留米大学, 医学部, 教授 (60363496)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 滑膜細胞 / バイオマーカー / 転移リボ核酸断片 / リボ核酸配列解析 / tRNA断片 / 翻訳抑制 / アポトーシス / アンジオジェニン |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis: RA)では、non-coding RNA (ncRNA)に特有の発現変化が起こる。本研究では、transfer RNA(tRNA)の切断片が翻訳抑制機能を有するという独自の発見をtiRNAとして報告したが、これをRAの病態解明に応用する。アプローチは以下の2つの方法である。一つ目は、生物学的製剤治療の前後にRA症例の血液を採取し、血中のtiRNAの変化を特定し、バイオマーカーとして有用性の検証を行う。二つ目は、培養細胞研究では滑膜細胞におけるtiRNAの制御、およびtiRNAが滑膜細胞に与える影響を検討する。
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研究実績の概要 |
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis: RA)では、蛋白質をコードしないnon-coding RNA(ncRNA)に特有の発現変化が起こるが、この現象の病態への影響に関しては不明である。申請者は古典的ncRNAの1つである転移リボ核酸(transfer RNA: tRNA)の切断片が翻訳抑制機能を有することを発見し、「tiRNA」として報告した。その後の研究で、tiRNAは抗アポトーシス作用を有し、マウスの自己免疫疾患モデルにおいて病態に影響を与えることが判明したため、ヒト疾患への応用研究が展開されている。本研究では、RAにおけるtiRNAのバイオマーカーとしての可能性を検証する。具体的には、TNFやIL-6受容体を標的としたバイオ的製剤による治療の前後にRA症例の血液を採取し、末梢血単核球におけるtiRNAの変化を検討する。培養細胞研究ではサイトカインがtiRNAの種類と発現に及ぼす影響、tiRNAが滑膜細胞の活性化に及ぼす影響を検討する。一連の研究では、リボ核酸の配列解析(RNA-Seq)、特にサンプル間バリアンスを回避する工夫が重要であると考えていたが、tRNA切断端のリン酸化を一度一律に除去し、再びその全てをリン酸化するという方法で打開できることが確認された。これにより異なる切断端を有するRNAを全て一様に配列解析することが可能となっている。培養細胞研究は広島大学リウマチ・膠原病科に研究の場を移し、同研究グループの滑膜細胞研究プラットフォームを使用して、研究を実施している。2022年度は配列解析の技術的問題の解決を行い、2023年度は臨床及び培養細胞を用いたサンプル集積が進んだ。2024年度にはRNA配列解析を行い、tRNA断片のRAへの関与の検証、さらにRAの病態解明へとバイオマーカーとしての価値を評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
【サンプルバリアンスを解除する技術の確立】転移リボ核酸断片を生み出す酵素の種類によって、転移リボ核酸の切断片の3'側の切断部の状態が異なる可能性があり、これによるリボ核酸の配列解析に必要なアダプター核酸の付与に変化が生じることが懸念されていた。この問題を解決するため、転移リボ核酸断片と同じサイズのリボ核酸をゲル分離後に回収し、calf intestinal alkaline phosphataseを用いてその全てのリボ核酸からリン酸を除去、さらにT4 polynucleotide kinaseにより改めて全てのリボ核酸の3'側にリン酸化を施すステップを加えることで、もれなく全ての 転移リボ核酸断片に対して一様にIllumina社のTruSeq Small RNA library preparation kitによるアダプター結合が可能となることが、2022年に確認できた。 【サンプル取得と解析方法の進捗】2023年度にバイオ的製剤による治療の前後にRA症例の血液サンプルを行なった。滑膜細胞を用いたサンプルも、広島大学リウマチ・膠原病科の滑膜細胞研究プラットフォームを使用して、集積が進んでいる。しかし、2023年度に引き続き、2024年度にも勤務施設の異動があり、十分なサンプル集積が完了していない。
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今後の研究の推進方策 |
サンプル集積をおこなっている勤務施設の異動も重なったため、バイオ的製剤による治療の前後にRA症例のサンプル集積が十分ではなく、遅延を生んでいる。新規施設でも改めて倫理委員会の承認を得て、バイオ的製剤による治療の前後にRA症例のサンプル集積を進めていく。 滑膜細胞を用いたサンプルは、広島大学リウマチ・膠原病科の滑膜細胞研究プラットフォームを使用した集積が進んでいる。 これらのサンプルは2022年度に確立したサンプルバリアンスを解除するための技術を用いて、2024年度に速やかに解析を行なっていく。
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