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抗リボソームP抗体特異的免疫異常によるSLE病態悪化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08540
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
研究機関新潟大学

研究代表者

佐藤 弘恵  新潟大学, 保健管理・環境安全本部, 准教授 (80705963)

研究分担者 金子 佳賢  新潟大学, 医歯学系, 講師 (80444157)
若松 彩子  新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (30937686)
黒澤 陽一  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20898829)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード全身性エリテマトーデス / 抗リボソームP抗体
研究開始時の研究の概要

申請者らは抗Pモノクローナル抗体を作成し,マウスに投与すると不安行動・うつ行動を呈し,その病態は血清トリプトファン濃度低下と関連するとともに抗P抗体陽性SLE患者では血清トリプトファン濃度が低いこと,抗DNA抗体との併存はループス腎炎組織所見の重症化に関与することを明らかにしてきた。本研究ではその詳細をさらに明らかにすべく,抗Pモノクローナル抗体を用いSLE患者での末梢血免疫細胞における抗P抗体エピトープの発現や,トリプトファン代謝,炎症性サイトカインに焦点を絞った解析を進め,抗P抗体特異的免疫異常によるSLE病態悪化メカニズムの解明を試みる。

研究実績の概要

全身性エリテマトーデス(SLE)患者の血清中に出現する抗リボソームP抗体(抗P抗体)は,中枢神経障害やループス腎炎発症と関連する注目すべき抗体である。既に,研究代表者らは抗Pモノクローナル抗体(抗P抗体m)を作成し,マウスに投与すると不安行動・うつ行動を呈し,その病態は血清トリプトファン濃度低下と関連するとともに抗P抗体陽性SLE患者では血清トリプトファン濃度が低いこと,抗DNA抗体との併存はループス腎炎組織所見の重症化に関与することを明らかにしてきた。本研究は抗P抗体mを有力な研究手段として用いることで,SLE患者における末梢血単核球の抗P抗体エピトープの発現を明らかにし,トリプトファン代謝と炎症性サイトカイン,精神状態やSLE活動性との関連について解析することで,SLE患者における抗P抗体特異的な免疫学的異常の機序と病態形成の解明を行うことを目的とするものである。
当該年度の研究実績として、健常人の末梢血単核細胞について抗P抗体mを用いたフローサイトメトリー解析では、好中球、NK細胞、B細胞がP抗原を細胞表面に発現していることを明らかにした。
さらに、少数例のSLE患者の検討で、CD8陽性T細胞でP抗原が細胞表面に発現している知見を得ているが、今後症例を増やして検討を進める予定である。
また、SLE患者80名において、抗P抗体価は、血清補体価、IL-10、IFN-α2などの炎症性サイトカイン、キヌレニントリプトファン比、SLEDAI-2K、副腎皮質ステロイド薬の初期治療量と関連すること、また皮疹および副腎皮質ステロイド初期量に対して抗P抗体価が正の相関を示す唯一の因子であることを明らかにし報告した (Kaneko Y,Sato H, Wakamatsu A, Kurosawa Y et al. Rheumatology 2023)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

抗P抗体mを使用したフローサイトメトリー法が実用化できており、SLE患者での検討も進めている。またSLE患者における抗P抗体と、血清サイトカインとトリプトファン代謝産物に関する検討の成果を論文としてすでに報告できている。

今後の研究の推進方策

引き続き、SLE患者を対象とし、抗P抗体mを用いた末梢血単核細胞のフローサイトメトリーでP抗原を発現している細胞の種類や発現の程度と、SLEの活動性や精神状態、血中トリプトファン濃度と炎症性サイトカインの関連について症例を増やして検討を進める。
さらにin vitroの実験として、健常人やSLE患者の末梢血から採取したT細胞や単球に対して抗P抗体mを反応させ、IL-10、IFNγなどのサイトカイン産生およびトリプトファン濃度、IDO1濃度、キヌレニン濃度の変化をタンパク質レベルおよびmRNAレベルで測定し、抗P抗体に伴う細胞および組織障害の進展メカニズムについて明らかにする。
また、SLE患者の治療前、治療後の血清サイトカイン濃度、トリプトファン代謝関連物質濃度と、精神状態アンケート評価との関連について縦断的に解析し検討を進めていく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Pathogenetic associations of anti-ribosomal P protein antibody titres and their subclasses in patients with systemic lupus erythematosus2023

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Yoshikatsu、Sato Hiroe、Wakamatsu Ayako、Kobayashi Daisuke、Sato Kaho、Kurosawa Yoichi、Hasegawa Eriko、Nakatsue Takeshi、Kuroda Takeshi、Narita Ichiei
    • 雑誌名

      Rheumatology

      巻: Online ahead of printのため未定 号: 5 ページ: 1411-1421

    • DOI

      10.1093/rheumatology/kead402

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [備考] 全身性エリテマトーデス患者の抗リボゾームP抗体価は病勢を反映する

    • URL

      https://www.niigata-u.ac.jp/news/2023/462750/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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