研究課題/領域番号 |
22K08541
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 孝作 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (70599927)
|
研究分担者 |
塚本 博丈 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10433020)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 免疫関連有害事象 / B細胞 / 関節炎 / クリニカルバイオリソース |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではirAE発症症例の末梢血単核球解析やから自己抗体の同定を行い、臨床情報と統合することによってB細胞と病態との相関性を明らかにする。また、irAE発症モデルマウスを用いてB細胞が臓器障害を増悪させる因子であることを証明する。本研究によって予測因子や病型分類を確立することで新規診断・治療法を最適化する端緒となり得ることや、がん免疫領域におけるB細胞制御を機軸とした新たな研究開発が発展することが期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究では、①免疫チェックポイント阻害薬(ICI)投与患者のB細胞活性化状態が免疫関連有害事象(irAE)発症や抗腫瘍効果を予測することを、末梢血単核球(Peripheral mononuclear cell; PBMC)のフェノタイプ分類、サイトカイン測定、そして血清IgG濃度も含めた臨床経過情報を統合することで明らかにすること、②B細胞制御によるirAEの予防効果について、抗PD-1抗体を投与された担癌モデルマウスにB細胞除去療法を行い、臓器障害の有無・程度や抗腫瘍効果を評価することにより検討することを目的とした。 ①患者サンプル研究(2022年 - 2024年):ICI投与前後に生じた関節炎(ICI-IA)および関節リウマチ(RA)患者でICIを投与された症例について末梢血の解析を行った。ICI-IAが発症した7例ののPBMCをマスサイトメトリーで解析し、3例の健常者PBMCと比較したところ、ICI-IAでPlasmablastが増加し、Memory B細胞(特にIgM memory)が減少しているとの結果が得られた。また、CCR6陽性細胞がICI-IAで上昇する傾向にあった。次に、血清学的な検討を行ったところ、RA合併症例についてIgG値、IgM値が高値の場合に生命予後が低下する傾向が示唆された。今後、サンプル数を増やしてB細胞とirAEの関連をさらに評価する予定としている。 ②2023年度においては、コラーゲン誘導性関節炎に腫瘍を移植し、抗PD-1抗体と抗CTLA4抗体を投与することによるICI-IAモデルの構築を試みた。結果として、腫瘍移植マウスは関節炎の病勢が減弱するものの、ICI投与によって関節炎が増加することを確認した。このモデルにB細胞を標的とした治療を行い、自己免疫と腫瘍免疫の両者を改善させることを試みる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
irAEデータベースを活用した情報の整理、血液検体からの解析結果からの統合を進めている。また、腫瘍移植関節炎モデルについてICI投与による影響を検証し得る基盤を形成することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
①患者サンプル研究 ストックしている血漿サンプルを用いてirAEの病態分類を行うためのバイオマーカー特定を行う予定である。また、PBMCの免疫フェのタイム解析を治療前後で比較する予定としている。 ②マウスirAE制御研究 腫瘍を移植した関節炎モデルを用いて、irAE治療戦略の提案について計画する。
|