研究課題/領域番号 |
22K08547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
浅野 智之 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20644115)
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研究分担者 |
右田 清志 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60264214)
古賀 智裕 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90537284)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 成人スチル病 / インフラマソーム / サイトカイン / カスパーゼ1 / IL-1β / IL-18 / ASD / autoinflammation / inflammasome |
研究開始時の研究の概要 |
難治性の自己炎症疾患であるASD患者の生体試料を用い、発症につながるゲノム・エピノゲム情報、病態の中心であるインフラマソームの活性化を誘導する環境因子を同定する。これらの分子を遺伝子改変技術で発現を制御し、自己炎症を制御できるかin vitroのインフラマソームの活性化系で検証する。また、ASDの識別特性を有するサイトカインであるIL-1β/IL-18に関して、新規モノクローナル抗体作用技術を用い、高感度ELISA定量システムを確立する。最終的にASDの自己炎症機序を解明し、早期診断・重症度・病型の予想に有用なバイオマーカーを見出し、免疫チェックポイント分子等を用いた分子標的治療を開発する。
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研究実績の概要 |
成人スチル病(ASD)は、難治性の自己炎症性疾患で、自然免疫系の活性化が病態の中心にあると考えられているが、その発症メカニズムは解明されていない。自己炎症疾患の病態にはインフラマソームが関与しているが、ASDにおいてもNLRP3インフラマソーム、カスパーゼ1の活性化で生じる活性型IL-1β/IL-18がサイトカインカスケードの中心となり、自己炎症が誘導されることが知られている。我々はこれまでASD患者の詳細なゲノム解析を行い、発症リスクとなるHLAアリル、インフラマソーム関連遺伝子(MEFV遺伝子)を同定し、これら遺伝要因で重症度・病型が規定されることを見出し)、ゲノム異常を有する一部の症例にコルヒチンが有効であることも報告した。さらにTNF-α、GM-CSFなどASD関連サイトカイン/蛋白により、NLRP3インフラマソームが活性化され活性型IL-1βが産生されることを報告した。これらを踏まえ、我々は健常人におけるmyeloid系細胞(ヒト末梢血単核級細胞)のインフラマソームを介したIL-1βの産生が、アナフィラトキシンであるC5aにより誘導されるか検討した。その結果、C5a単独で成熟型IL-1βは誘導されることが判明し、さらにFACSで活性型カスパーゼ1が誘導されることを見出した。既報ではC5aとLPS、及びC5aとMSU刺激でそれぞれIL-1βが誘導されることは知られているため、新規性があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ASD以外に健常人におけるカスパーゼ測定に時間をやや要した。今後はin vitroの実験系についてトライしていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ASD患者血清を用い、サイトカインマルチプレックスアレーにて健常人と比べて特異的に上昇しているサイトカイン・ケモカイン、免疫チェックポイント分子を同定する。また、インフラマソーム活性化に伴い、分泌される活性型IL-1βと活性型カスパーゼ1をASD患者の血清で測定する。また、今回得られた知見に関しては積極的に学会発表を行なっていく。
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