研究課題/領域番号 |
22K08549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
松下 祥 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50167649)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ドーパミン(DA) / アデノシン(AD) / 17型ヘルパーT細胞(Th17) / 自己免疫病 / COVID-19 / ドーパミン(DA) / アデノシン(AD) |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はパーキンソン病治療薬(ドーパミンD1様受容体アンタゴニストおよびD2様受容体アゴニスト)がTh17応答抑制活性を有することを明らかにした。さらにアデノシン(AD) が同様の効果を有し、AD 受容体(A2aR)アンタゴニスト(パーキンソン病治療薬であるイストラデフィリン)が好中球性炎症を軽快させることも発見した。これらの知見からパーキンソン病治療薬は各種好中球性炎症の特効薬となりうると考えられる。本研究においては免疫細胞における神経伝達物質の作用機構、新たな受容体アンタゴニストの開発、COVID-19におけるTh17応答の解析により抑制制御に関する知見を提供する。
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研究実績の概要 |
免疫細胞自体が分泌するドーパミン(DA)やアデノシン(AD)を介したシグナルが、17型ヘルパーT細胞(Th17)によるIL-17産生を介することにより、好中球性炎症を誘導し、その受容体アゴニスト・アンタゴニストが自己免疫病などの各種好中球性炎症を抑制することを世界に先がけて明らかにしてきた。免疫細胞における神経伝達物質の作用機構に関する研究を完成させ、さらには新たな受容体アンタゴニストの開発、ならびにCOVID-19におけるTh17応答の解析により、その抑制制御に関する知見を提供することを目的としている。以下の3点を目指す。目的1)神経伝達物質が免疫シナプスにおいて作用していることを解明する。目的2)脳血液関門を通過しない新規アデノシン受容体アンタゴニストを開発する。目的3)SARS-CoV-2スパイク蛋白上のTh17エピトープと抗原提示分子を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き今年度も最新のcDNA display library技術を用いて研究を行い、cDNA display library技術を用いてA2a受容体に対する特殊ペプチドアンタゴニストの開発を試みた。特殊ペプチドは通常のペプチドとは異なり、大環状骨格を含んだペプチドであり脳血液関門を通過しないので、既存のパーキンソン病治療薬のような統合失調症様副作用の心配がない。本法は従来のmRNA RaPID display法に比べてメリットが高いcDNA display library技術を用いたA2a受容体に対する特殊ペプチドアンタゴニスト開発であり、本研究に必要不可欠であると考えているが、ペプチドの環状化は容易ではなく複数の条件下において実施を試みた結果時間を要したため当初の研究予定よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
cDNA display library技術を用いてA2a受容体に対する特殊ペプチドアンタゴニストの開発に加え、IL-23の発現誘導とMAPK活性化に着目して、HLA分子による抗原提示がTh17応答を誘導する分子機構を明らかにする。具体的には、固相化抗DR, DQ, DP抗体を用いて樹状細胞およびマクロファージに刺激を入れ、抗MAPK抗体および、抗リン酸化MAPK抗体でWestern blot解析を行い活性化のみられたMAPKに対する特異的阻害剤がIL-23の産生増強を特異的に阻害することを検証する。 最終的にはエメチン処理で蛋白合成を阻害したT細胞クローン(DR, DQ, DP拘束性クローン、現有)により、抗原提示細胞とのペプチド特異的相互作用を誘導し、DR or DQor DPからの刺激がIL-23を特異的に誘導することを証明する。
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