研究課題/領域番号 |
22K08559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土田 優美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90793597)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自己免疫疾患 / SLE / 妊娠 / 全身性エリテマトーデス / シングルセルRNAseq |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、健常女性および自己免疫疾患の女性から、妊娠前、妊娠中、産褥期に複数回末梢血を採取し、シングルセルRNA-seq解析を行う。また分娩時には臍帯血も採取し、臍帯血のシングルセルRNA-seq解析も行う。これらの解析から、妊娠が健常女性・自己免疫疾患女性の免疫に与える影響をシングルセルのレベルで明らかにし、また、妊娠合併症や妊娠に伴う自己免疫疾患の再燃に関連する細胞集団や遺伝子の同定を試みる。また、自己免疫疾患の女性から産まれた児の臍帯血を健常女性から産まれた児の臍帯血を比較することにより、母体の自己免疫疾患が児に与える影響についても明らかにし、予後改善のための治療戦略を模索する。
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研究実績の概要 |
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus, SLE)などの自己免疫疾患には若年女性に好発する疾患も多い。近年、治療の進歩に伴い多くの自己免疫性疾患の女性にとって、妊娠出産を目指すことは現実的なゴールとなりつつあるものの、自己免疫性疾患の女性では妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症が多く、また妊娠に伴い現病の再燃を認める場合もある等、残されている課題は多い。また、自己免疫性疾患の女性から産まれた児の長期予後については不明な点も多い。本研究では、シングルセルRNAシークエンシングなどの手法を用いて、自己免疫性疾患の女性の妊娠合併症や現病に伴う再燃に関連する因子を明らかにすることを目的として実施している。 今年度は、まずは研究実施に向けて倫理審査を行い承認された。 従来より、抗ds-DNA抗体陽性や低補体血症などのSLEの血清学的活動性は、妊娠悪転帰との関連が報告されていた。臨床的な症状がなく、血清学的活動性が持続しているSLE女性における妊娠転帰については十分検討がなされておらず、本邦の臨床医の間でも、そのような患者の妊娠の容認に関する意見はわかれている。臨床検体の解析に先立って収集した臨床情報から、臨床寛解が持続しているSLE女性において、血清学的活動性の有無による妊娠転帰について検討し、日本リウマチ学会にて発表した。 また、小児期に発症したSLE患者に関しては、20-30歳代ですでに非可逆的な臓器障害が持続し、妊娠出産を断念する女性もいるため、小児期発症SLEのSystemic Lupus International Collaborating. Clinics Damage Index(SDI)について検討し、日本リウマチ学会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体の収集はやや当初の予定より遅れているが、臨床情報に関する検討は順調に進んでおり、学会発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は臨床検体の収集し、シングルセルRNAシークエンシングを行う。Cell Rangerでマッピングを行った後、HarmonyやSeuratを使用して細胞のクラスタリングを行う。シングルセルRNAシークエンシングの結果と臨床情報と統合することにより、自己免疫疾患女性において、妊娠合併症や妊娠中・産褥期の再燃と関連する免疫細胞や遺伝子について検討していく。これらの免疫細胞や遺伝子などについては、当科が保有するトンランスクリプトーム、eQTLデータベースのImmuNexUTなどの既存のデータベースとの統合解析を行っていく。また、児の臍帯血の解析を行うことにより、母体の膠原病や治療薬が児に与える影響についても検討する。また、臨床情報についても症例数を増やすことにより、妊娠転帰と関連する因子や非可逆的な臓器障害と関連する因子について模索する。
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