研究課題/領域番号 |
22K08562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水井 理之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30423106)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Th17 / グルタミン / 脂肪酸酸化 / 自己免疫 / PPARa / 代謝調節 / リンパ球 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫細胞サブタイプにより代謝経路が異なることが知られ、代謝調節により自己免疫疾患を制御できる可能性が様々な報告で示されており注目されている。 日常臨床において使用されるフィブラート系の新規薬剤であるペマフィブラートは選択的にPPARαに作用することでより少量で効果を発揮し副作用も少ない。自己免疫疾患に対する既存の加療に加え、代謝の観点から免疫細胞を制御することで治療選択の幅が広がる。 我々は本研究において選択的PPARαモジュレーターが免疫細胞の代謝リプログラミングに影響を与えることを示し、自己免疫疾患に対する補助診療の一つとして薬剤の適応拡大に向けた学術的基盤を構築することを目標とする。
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研究実績の概要 |
選択的PPARaモジュレーターのペマフィブラートは実験的自己免疫性脳脊髄炎を軽減することを見出していたが、本薬剤が直接的にTリンパ球に作用し、Th17/Tregバランスに影響を与えることにより、自己免疫反応を抑制的に調節しうることが明らかになった。特に、ペマフィブラート投与下において、Th17細胞の脂肪酸酸化が亢進することにより、Th17細胞に重要な代謝経路であるグルタミン代謝が抑制され、分化や機能が抑制されていることがわかった。エネルギー代謝については、フラックスアナライザーを用いることにより、ペマフィブラート投与によるATP産生能は通常と不変であるが、脂肪酸代謝が亢進しグルタミン代謝が低下している状態であり、Th17細胞の代謝が変化していることが確認された。これに対し、同じフィブラート系薬剤のフェノフィブラートは、脂肪酸代謝は上昇するが、解糖系も強く抑制され、細胞生存率が著明に減少していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の仮説の予想通りの結果が得られており、研究は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、どのようにしてグルタミン代謝経路が抑制されるのかを引き続き検討している。まず、RNAseqを用いてペマフィブラートよる遺伝子発現変化を網羅的に解析し、代謝関連遺伝子発現変動を検索する。そのうえで上がってきた候補遺伝子について確認を行い、メカニズムを明らかにする予定である。
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