研究課題/領域番号 |
22K08565
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小野 伸之 九州大学, 大学病院, 助教 (00336025)
|
研究分担者 |
前田 高宏 九州大学, 医学研究院, 教授 (00791972)
江里口 芳裕 九州大学, 大学病院, 助教 (70552016)
仙波 雄一郎 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD) (90816787)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | クローン性造血 / ベーチェット病 / 成人スチル病 / 加齢性クローナル造血 / 巨細胞性動脈炎 / 脊椎関節炎 / 炎症性腸疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では加齢性クローナル造血(clonal hematopoiesis: CH)と自己免疫疾患発症との関連を解明する。CHは加齢による体細胞変異を有しながら、 悪性化していない造血細胞を指す。CHは血液腫瘍発症のリスクとなり重要であるが、近年 CH由来の細胞がinflammagingを誘導し、動脈硬化性疾患発症に関わっていることがわかった。 我々はCHによるinflammagingが高齢発症自己免疫疾患の病態でも重要な役割を果たすと仮説 し、本研究を立案した。CHが関わる自己免疫疾患を同定し、CHがどのような免疫異常を誘導し、発症に関わるかを解明する。
|
研究実績の概要 |
『自己免疫疾患でクローン性造血(CH)は重要な役割を果たすのか?』という学術的な問いに対し、さまざまな自己免疫疾患(ベーチェット病、成人スチル病、巨細胞性動脈炎など)の合計80症例の血液サンプルを同意の上収集し、順次CHのスクリーニングをMyDiscavary Panelを用いたターゲットシークエンスにより行った。またCH保有患者の末梢血を分画し、CH有する分画の同定も行った。並行してフローサイトメトリーによるイムノフェノタイプ解析、患者単球を分離した炎症誘導の解析を行った。ターゲットシークエンスは研究分担者の前田、仙波が担当した。 血液腫瘍の関連が報告されているベーチェット病患者を重点的に行い、同患者では14.9%にCH保有者を認め、年齢をマッチさせると健常人集団よりBD患者で多い傾向を認めた。CH保有の有無でベーチェット病患者の発症年齢、臨床像、HLA-B51の陽性率、治療内容を比較したが有意な差は観察できなかった。一方でCH保有者では、既報の通りRDWが高い傾向を認めた。末梢血の細胞分画では自然免疫系細胞(単球、好中球、NK細胞)でCH保有率が高い傾向を認めた。機能解析では単球が過剰活性化を示す症例が1例同定された。上記内容の一部は2023年日本リウマチ学会で発表の予定である。 今後症例を増やし、CHのスクリーニング数を増やす一方で、CH保有患者における過剰炎症の有無の確認、変異遺伝子の役割について機能解析を進める方針である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者収集、ターゲットシークエンスについては順調に進んでいるが、機能解析の実験系が安定しておらず、患者検体を用いた細胞の機能解析が遅れている。その理由として、CH保有患者が少ないことが大きい。
|
今後の研究の推進方策 |
CH保有患者を集めるため、ベーチェット病患者の検体収集を増やすだけでなく、疾患を拡げてスクリーニングを行う。また、単球の機能解析にはヒト細胞株に変異遺伝子を導入し、変異による炎症誘導の変化を検討する。
|