研究課題/領域番号 |
22K08569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
渡部 龍 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40723218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Hepatocyte growth factor / 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞 / hepatocyte growth factor / インターフェロン |
研究開始時の研究の概要 |
本申請者は、抗TNF阻害薬が投与されたRA患者のマルチオミックス解析を行い、抗TNF阻害薬が無効例では、治療開始時点で血中のI型インターフェロンシグナルが亢進し、血漿Hepatocyte growth factor(HGF)濃度が上昇していることを見出した。 そこで、RAでは、I型インターフェロンがHGF発現を増強し滑膜線維芽細胞増殖を促進することによりRAの病態形成に関与しているのではないかと考えた。
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研究実績の概要 |
関節リウマチ(RA)の治療は大きく進歩したが、未だに多剤抵抗性を示す患者が存在し、新たな治療薬の創出が望まれる。申請者は先行研究において、マルチオミックス解析を用いて、抗TNF阻害薬無効例の患者で、血漿中のHepatocyte growth factor(HGF)濃度が上昇していることを見出した。本研究では、HGFとその受容体c-Metを標的とした治療がRAの新たな治療戦略となりうるかを検討している。 京都大学リウマチセンターに通院中のRA患者66名と健常人6名の血漿蛋白レベルを比較したところ、HGF(P=0.0003), TNFa(P=0.0046), IL-6 (P=0.014), CXCL10 (P=0.018)が有意にRA患者で上昇していた。ROC解析を用いた検討では、HGFが最大のAUC(0.91, P=0.001)を示し、健常人と差を認めた。 次に、血漿HGF濃度と疾患活動性の相関を検討した。血漿HGF濃度は、DAS28-ESR(r=0.367, P=0.002)、DAS28-CRP(r=0.247, P=0.046)などと有意に相関していた。 さらに、RA滑膜のパブリックデータベース(AMP Consortium)を解析すると、HGFは単球および滑膜線維芽細胞が産生源であり、HGFの受容体(c-MET)は滑膜線維芽細胞が発現していた。 今後、HGFの発現制御のメカニズムや、HGFやc-METの免疫染色、HGFに対する滑膜線維芽細胞の反応を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体収集および解析は比較的順調に進んでいる。 今後の実験計画も明らかになっている。 今年度末から動物実験なども検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、HGFの発現制御のメカニズムや、HGFやc-METの免疫染色、HGFに対する滑膜線維芽細胞の反応を検討する予定である。また、動物実験も検討している。
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