研究課題/領域番号 |
22K08571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
平本 和音 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70941102)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ループス腎炎 / 全身性エリテマトーデス / プロテオーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性エリテマトーデスは多様な臓器障害を来す自己免疫疾患であり、半数前後でループス腎炎を発症し生命予後に強く影響する。ループス腎炎の診断および重症度評価には腎生検が必須だが侵襲性が高く、代替となるような非侵襲的な手法の検索が課題である。本研究では、①プロテオーム解析およびELISA解析を行い、病理所見との相関を解析する、②ループス腎炎の治療過程で尿中タンパクの経時的な濃度変化を解析し治療反応性や予後予測に応用する、③他の腎疾患患者の尿を比較しループス腎炎に特異的な尿中タンパクを検索する、といった検討を行い最終的には、④腎生検の代替となるような尿中タンパクの検査キット化を行い、社会実装を目指す。
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研究実績の概要 |
ループス腎炎24例を用いたdiscovery cohortにおいて特定の腎病理所見スコアと相関のあった候補タンパクについて、別のループス腎炎24例の尿検体を用いてvalidationを行った。具体的には、尿中MCP-1を始めとした計3種類の有力候補タンパクについてELISAキットを用いて尿中濃度を測定した。この結果、尿中タンパク濃度は腎組織の特定の活動性病変および慢性病変の重症度と有意に相関することが判明した。ループス腎炎において、これらの3つのタンパクはそれぞれ対応する腎組織所見の重症度を予測できる可能性が示唆された。さらにこれらの3つのタンパクについて腎組織免疫染色を行い、それぞれの局在が対応する組織所 見に一致していることを確認した。これらのタンパクの尿中濃度が、ループス腎炎以外の腎炎でもそれぞれ対応する病理組織所見と相関し組織所見の重症度を予測できるマーカーかどうか、もしくはループス腎炎に特異的なマーカーかどうかといった点を確認するため、IgA腎症や膜性腎症、微小変化群、糖尿病性腎症といったループス腎炎以外の糸球体腎炎症例の尿サンプルを順次収集継続および順次測定を行っている。一方、ループス腎炎の治療後の尿サンプルも順次収集しており、これらの3種類の尿中タンパク濃度をELISAキットを用いて順次測定中である。尿中タンパク濃度と治療後の臨床経過とを比較することで、これらの3種類のマーカーがループス腎炎の治療反応性や治療予後を予測できるマーカーとなり得るか確認するためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載した通り、3種類の尿中タンパクが特定の腎組織所見の重症度を反映し得るマーカーとして有力な候補に挙がっている。ループス腎炎においてはこの3種のタンパクについてELISA測定によるvalidationも終了している。また、ループス腎炎以外の腎疾患も含めた解析を行う準備として、各種腎疾患の尿サンプルの回収および測定は概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
候補タンパクを用いた腎炎の重症度予測や診断キットの作成を目標として、質の高い研究を行うためループス腎炎以外の糸球体腎炎疾患の尿サンプルを可能な限り多く収集することが肝要である。これを継続し、順次尿サンプルを用いてELISA測定を継続していく。
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