研究課題/領域番号 |
22K08572
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
田村 直人 順天堂大学, 医学部, 教授 (20227284)
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研究分担者 |
多田 久里守 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70424249)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 体軸性脊椎関節炎 / 骨新生 / 付着部炎 / デシタビン |
研究開始時の研究の概要 |
強直性脊椎炎に代表される体軸性脊椎関節炎は、HLA-B27と強く関連するが、HLA-B27保有者の5‐10%のみが発症し、その他の因子の影響が考えられる。また本疾患においては、炎症だけでなく骨新生がみられる特徴がある。DNAメチル化阻害薬decitabineを体軸性脊椎関節炎モデルマウスに投与し、関節炎への影響、炎症性サイトカインや骨代謝マーカーを調べるほか、付着部の組織の遺伝子発現、DNAメチル化について経時的な解析を行うことにより、病態へのアプローチを行う。
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研究実績の概要 |
体軸性脊椎関節炎である強直性脊椎炎は、指定難病であり脊椎や仙腸関節などの疼痛、強直をきたし、関節機能不全により患者QOLを著しく低下させる原因不明の慢性炎症性疾患である。本疾患はヒト組織適応抗原(HLA)-B27との非常に強い関連性が知られているが、HLA-B27非保有者でも本症が認められることから、エピジェネティックな要因の関与が示唆される。DecitabineはDNA methyltrasferase阻害薬であり、脱メチル化とsilenced geneの再活性化を誘導し、骨髄異形成症候群の治療薬として使用されているが、Th1およびTh17の抑制によりコラーゲン誘発性関節炎などの炎症性疾患モデルにおける症状軽減効果が報告されている。本研究においては、脊椎関節炎モデルマウスにdecitabineを投与してその効果を検討し、さらに付着部の組織における遺伝子発現、DNAメチル化の変化を経時的、および非投与マウスと比較してその相違を解析することにより体軸関節炎の病態にアプローチすることが目的である。本年度、8-10週齢のSKGマウスにSPF飼育下でβグルカン(Curdlan)を投与し、脊椎関節炎を発症させた。このマウスにdecitabine(2.5mg/Kg)をを投与したところ、コントロール群に比べて体重増加、関節炎スコアの低下傾向が認められた。また、病理検体を保存して今後染色、解析の予定である。付着部の核酸を採取してメチル化解析を行い、現在、得られた結果について検討中である。今後、decitabineの用量依存度についても検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SKGマウスにcurdlanを投与して脊椎関節炎を発症させ、メチル化阻害薬であるdecitabineを投与し、その影響を検討中であり、組織メチル化DNA解析を行ったが結果の解釈についての検討に時間を要している。現在、体重測定、関節スコア評価、血液保存などは順調に行えているが、decitabineの用量依存性の検討を行っており、予定よりやや遅れている状況と認識している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、付着部組織のメチル化解析の結果について引き続き検討を行う。decitabineの用量依存性についても検討を行っている。付着部組織からのRNA抽出については、マイクロスコープによる正確な部位確認と短時間でのRNA抽出について手技的な検討を行っている。関節および付着部の組織所見、血液マーカーの測定ならびにデータ解析を並行して行う予定である。6月の日本脊椎関節炎学会に演題を登録しており発表の予定である。
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