研究課題/領域番号 |
22K08578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐藤 隆 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 特任教授 (70510436)
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研究分担者 |
下里 剛士 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (00467200)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 気道粘膜ワクチン / 組換え乳酸菌 / COVID-19 / SARS-CoV-2 / 経気道治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまでの組換え乳酸菌の作成実績と、乳酸菌の経気道投与による乳酸菌由来高分子・抗体医薬の経気道治療の研究成果を基盤とする。本研究に先立って施行した、新型コロナウイルス感染症回復者血清の研究成果も活用し、変異株への交差性が期待できる保存配列候補の抗原情報を組換え乳酸菌の作成に組み入れる点が特徴である。本研究では、乳酸菌を抗原蛋白産生・キャリアーとして新型コロナウイルスに対する経気道粘膜ワクチンの開発、ならびに低分子抗体産生・分泌機能に基づく経気道治療薬の開発可能性を検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、組換え乳酸菌を用いたSARS-CoV-2抗原蛋白、あるいはSARS-CoV-2に対する低分子抗体の産生・運搬体を構築し、経気道投与によるCOVID-19抗体医薬や粘膜ワクチンの開発を目的とする。 2023年度は、組換え乳酸菌による経気道粘膜ワクチンの素材開発を検討した。まず、1)SARS-CoV-2変異株で保存される抗原情報をもとにした組換え乳酸菌の作成を考慮し、次いで2)ヒト臨床試験でも検証された組換え蛋白ワクチン(S-268019)の情報をもとにした組換え乳酸菌の作成を検討した。特に、S-268019はヒト臨床においてブースト使用による優れた交差反応性が判明し(Takano T, Sato T, et al. Nature Communications 2023, 14, 1451)、受容体結合部位(receptor binding domain)を含むスパイク(S)蛋白全長あるいはS1サブユニット蛋白情報をもとに組換え乳酸菌での産生に最適化が図れるか検討中である。引き続き検討を進めるとともに、2022年度に作成しS蛋白の受容体結合部位への高い結合活性が示されたCC12.1低分子抗体(Oshima S, Namai F, et al. Molecular Biotechnology 2024, 66, 151)の検証を進める。具体的には、CC12.1scFv産生組換え乳酸菌を用いたSARS-CoV-2 in vitro感染モデルでのウイルス中和活性の検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に検討した経気道粘膜ワクチン候補となる組換え乳酸菌の構築の検討と、最適化に時間を要していることから進捗状況はやや遅れている。特に標的蛋白の分子量の面からの最適化に時間を要しており、最近のCOVID-19経鼻ワクチン開発の報告(Lancet 2023,11, 1075)等の結果も踏まえた検証を要する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の方策として、経気道粘膜ワクチン開発とともに初年度に作成した経気道治療用抗体(CC12.1scFv)の検証を進める。特にCC12.1scFvのウイルス中和活性の検証を行い、将来の組換え乳酸菌によるCOVID-19経気道治療の臨床開発に向けた基盤構築をすすめる。
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