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肺非結核性抗酸菌症の慢性病態形成に関わる宿主因子の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K08589
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54030:感染症内科学関連
研究機関東邦大学

研究代表者

梶原 千晶  東邦大学, 医学部, 講師 (80638883)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード非結核性抗酸菌 / NTM / マクロファージ
研究開始時の研究の概要

非結核性抗酸菌(NTM)は、マクロファージの殺菌能に抵抗しファゴソーム内で増殖する細胞内寄生菌である。肺NTM症は本邦で年々患者数が増加している。我々は、肺NTM症マウスモデルにおいてマクロファージがアポトーシス抵抗因子であるAIMの産生を顕著に増強することを見出した。AIMはマクロファージにアポトーシス抵抗性をもたらし、動脈硬化の病態を進展させることが報告されている。よって、NTMを取り込んだマクロファージが、AIMを介して不死化して蓄積し、肺NTM症の慢性化を引き起こしている可能性が示唆される。本研究は、AIM焦点を当て肺NTM症の慢性化メカニズムの解明と治療法の探索を目的として行う。

研究実績の概要

非結核性抗酸菌(NTM:non-tuberculousis mycobacteria)による感染症は、警戒すべき速度で増加しており、日本の患者数は既に結核性肺炎を上回っている。Apoptosis Inhibitor of Macrophage(AIM)は成熟マクロファージが特異的に産生する分泌タンパク質であり、アポトーシスを抑制する機能をもつとともに様々な疾患との関連が報告されている。肺NTM症原因菌として最も頻度が高いのが、Mycobacterium aviumである。肺NTM症マウスモデルを用いた実験で、Mycobacterium aviumを取り込んだマクロファージがAIMを介して不死化し、泡沫化マクロファージとなって肺内に蓄積して肺NTM症の慢性化を引き起こしていることを報告した(Kajiwara et al, J Immunol. 2023)。今回、AIM欠損マウスを用いて、感染マクロファージおよびT細胞の免疫チェックポイント分子に着目して実験を行った。野生型マウス(BALB/c)およびAIM欠損マウスにMycobacterium aviumを感染させ、感染後1、4、および8週目で肺を採取した。サイトカインの測定のために、マウス肺からRNAを抽出しqPCRを実施した。T細胞またはマクロファージの細胞表面発現の免疫チェックポイント分子(PD-1またはPD-L1)についてフローサイトメーター解析を実施した。AIM欠損マウスでは、感染後4および8週で野生型マウスに比べて肺内の細菌数が有意に低く、IFN-γ、TNF-α、およびiNOSなどの炎症性サイトカインの発現レベルも、野生型マウスよりも低かった。肺内マクロファージ数は野生型とAIM欠損マウスで差は認めなかったが、AIM欠損マウスではM1型マクロファージの比率が高かった。感染マクロファージのPD-L1発現レベルおよびナイーブT細胞のPD-1発現レベルは、AIM欠損マウスの方が低かった。以上の結果から、AIMがT細胞とマクロファージの免疫チェックポイント分子の発現を促進することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

AIM欠損マウスを用いた実験が可能となったため。

今後の研究の推進方策

引き続きAIM欠損マウスを用いて、免疫チェックポイント分子の発現誘導メカニズムについて解析を進める。また感染マクロファージの脂質代謝の変化についても解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Apoptosis Inhibitor of Macrophages Contributes to the Chronicity of Mycobacterium avium Infection by Promoting Foamy Macrophage Formation.2023

    • 著者名/発表者名
      3.Kajiwara C, Shiozawa A, Urabe N, Yamaguchi T, Kimura S, Akasaka Y, Ishii Y, Tateda K.
    • 雑誌名

      Journal of Immnology

      巻: 210 号: 4 ページ: 431-441

    • DOI

      10.4049/jimmunol.2200306

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 肺MAC症慢性化メカニズムにおけるAIMの役割2023

    • 著者名/発表者名
      梶原千晶, 塩沢綾子, 舘田一博
    • 学会等名
      第96回日本細菌学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 肺MAC症慢性化メカニズムにおけるAIMの役割について2022

    • 著者名/発表者名
      梶原千晶, 塩沢綾子, 舘田一博
    • 学会等名
      第6回抗酸菌研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 肺MAC症慢性化メカニズムの宿主側要因の検討2022

    • 著者名/発表者名
      梶原千晶, 塩沢綾子, 舘田一博
    • 学会等名
      第97回日本結核・非結核性抗酸菌症学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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