研究課題/領域番号 |
22K08591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
萩原 真生 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70647586)
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研究分担者 |
加藤 秀雄 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00905432)
山下 誠 愛知医科大学, 医学部, 客員教授 (50742722)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ウイルス性呼吸器感染症 / 腸-肺相関 / 感染制御・防御 / リピドミクス / プロバイオティクス / 腸内細菌 / 酪酸産生菌 / 脂質代謝 / 細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ヒト(宿主)の腸管を介して、インフルエンザウイルス・コロナウイルス感染症等のウイルス性呼吸器感染症への免疫抵抗性を向上させる酪酸産生菌(クロストリジウム属、ユーバクテリウム属など)を発見し、それらを臨床で予防・治療へ応用するために、基礎的検討をおこない、作用機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ウイルス性呼吸器感染症は毎年多くの死者を出す重篤な疾患であるにも関わらず、RSウイルス感染症は依然として治療法が確立しておらず、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザウイルス感染症はワクチンや治療薬が存在するものの、高変異原性のため恒常的に使用が可能なワクチンの作製は困難で、また薬剤耐性ウイルスの出現も早く、高い臨床的ニーズが存在する。特に、流行を予測できない系統亜型や新型のウイルス感染症に対する予防や治療法の開発は社会的な急務である。 これまでに、臨床研究によって、ヒトの腸内細菌に酪酸産生菌の割合が高い骨髄移植患者は、そうでない移植患者よりもインフルエンザウイルスを含む各種ウイルス性呼吸器感染症の発症率が有意に低いことが明らかにされている(Haak BW, et al. Blood. 2018;131: 2978-2986)。しかし、その作用機序の詳細は依然として明らかにされておらず、臨床応用には至っていない。 我々が開始したインフルエンザウイルス感染マウスを使用した研究によって、長年、臨床の現場で整腸剤として使用されてきた酪酸産生菌であるClostridium butyricumを経口投与すると、コントロール群(無治療)よりも、Immunoglobulin A(IgA)やInterferon (IFN)の産生が促進されるだけでなく、肺組織中のウイルス量の減少やマウスの生存率が改善されることが認められた。さらに、その作用機序の一つとして、酪酸産生菌の経口投与により、腸管で産生促進されたω-3系不飽和長鎖脂肪酸(18-HEPE)が肺の上皮細胞でIFNの産生量の増加に関与していることを明らかにしている(Hagihara M, et al. Cell Reports. 2022;41:111755)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本計画の作成当初から予定していた、インフルエンザウイルス感染モデルマウスの確立がスムーズにできたため、酪酸産生菌であるClostridium butyricumを使用した薬効評価実験と、その作用機序の解明を目的とした研究がほぼ予定通りに実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Clostridium butyricum(の経口投与)がもたらす抗ウイルス効果の汎用性とより詳細な作用機序の解明を試みる。具体的には、(1)酪酸産生菌がRSウイルスやSARS-CoV-2によるウイルス性呼吸器感染症に効果を示すのか評価を実験モデルを確立後に実施する予定である。(2)作用機序の解明では、昨年度に明らかにした、酪酸産生菌の経口投与によって腸管で産生が促進された長鎖脂肪酸による肺上皮細胞のインターフェロン産生促進効果に注目し、18-HEPE以外の脂肪酸の効果を評価する。(3)その他にも、肺・腸内に形成される細菌叢が、酪酸産生菌による抗ウイルス効果の発揮にどのように関わっているのかについての機序を解明していく予定である。
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