研究課題/領域番号 |
22K08599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
茂久田 翔 広島大学, 病院(医), 講師 (80837162)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症 / 炎症性サイトカイン / 宿主受容体 / 新型コロナウイルス / 受容体 / 発現 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症COVID-19の病原ウイルスであるSARS-CoV-2は、ウイルス表面のSタンパクが宿主受容体(例えばACE2やNRP)に結合することで、細胞内への侵入が可能となる。本研究では、受容体の発現を低下させる薬剤を同定することを目指す。受容体の発現量の低下は、ウイルスの侵入門戸の阻害につながることが期待され、ひいてはCOVID-19に対する新規治療法の開発に寄与すると考えられる。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の病態形成にはインターロイキン6(IL-6)を含む炎症性サイトカインが重要な役割を担っている。これは抗IL-6受容体抗体製剤が治療薬として使用されていることからも理解することができる。しかしながら、COVID-19の病態と炎症性サイトカインの直接的な関連性について、分子生物学的な観点から検討された報告は極めて少ない。また、病原ウイルスであるSARS-CoV-2の細胞への感染成立には宿主受容体への結合が必要となるため、宿主受容体の発現解析を行うことはCOVID-19の病態解明に重要と考えられる。そこで申請者らは、これらの問題点を明らかにするために、まず炎症を有する滑膜組織(関節リウマチ由来)と非炎症滑膜組織(変形性関節症由来)における宿主受容体の発現パターンの比較を行った。免疫組織化学を用いて解析を行った結果、宿主受容体候補であるニューロピリン2(NRP2)(注:その直接的関与は論文等でほとんど報告されていない)の発現が炎症環境下で著明に亢進していることを確認することができた。アンギオテンシン変換酵素2(ACE2)やNRP1といったすでに既報でウイルスとの関連が証明されている宿主受容体についても炎症組織で発現が認められるものの、その変動(炎症・非炎症状態での変動の大きさ)はNRP2よりも軽度であった。次に、線維芽細胞の培養実験を行った。細胞を複数の炎症性サイトカインで刺激し、宿主受容体の遺伝子発現量をリアルタイムPCR及びウエスタンブロットを用いて検討した。その結果、組織での検討と同様に、いくつかの炎症性サイトカインでNRP2の発現が著明に亢進しており、ACE2やNRP1の発現変動を大きく上回った。これらの研究結果はCOVID-19の病態解明に寄与すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた研究に沿って、実験結果の集積を着実に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の実験計画。(1)NRP2の発現を惹起する複数の炎症性サイトカインを同定した。それらの間に相互作用や協調作用が存在するかを確認を行う。(2)NRP2の発現が、サイトカインによる直接的な細胞内シグナル伝達によって生じているかを検討するため、NRP2の主要転写因子の同定をルシフェラーゼアッセイを用いて解析する。(3)COVID-19の病変ウイルスであるSARS-CoV-2の線維芽細胞への感染実験を行い、炎症性サイトカインが存在する環境がウイルスの増殖に与える影響を検討する。
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