研究課題/領域番号 |
22K08621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長田 直人 金沢大学, 医学系, 講師 (70456408)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 転写因子 / 脂肪吸収 / 酸化ストレス応答 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は酸化ストレス応答転写因子Nrf2 (NF-E2-related factor 2)の薬理学的活性化がマウスにおいて肥満を抑制することを報告した(Diabetes 2017)。さらに、そのメカニズムを探求する中で、Nrf2の薬理学的活性化が腸管からの脂肪吸収を制御する可能性を見出した(未発表)。本研究の目的は、脂肪の吸収を担う腸管上皮細胞に着目して、Nrf2と脂肪吸収をつなぐ分子メカニズムを解明し、Nrf2の活性化による脂肪吸収の制御が肥満の抑制にも寄与するかを明らかにすることである。本研究の成果は、Nrf2活性化薬を肥満症の治療に応用するための研究基盤となることが期待される。
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研究実績の概要 |
これまでに、申請者は、酸化ストレス応答転写因子Nrf2 (NF-E2-related factor 2)の薬理学的活性化がマウスにおいて肥満形成を予防に寄与することを報告した(Nagata et al., Diabetes 2017)。さらに、そのメカニズムを探求する中で、Nrf2の薬理学的活性化が腸管からの脂肪吸収を制御する可能性を見出した(未発表データ)。また、Nrf2活性化物質であるグルコラファニンは、食事誘発肥満マウスにおいても減量効果を示すことを最近報告した(Diabetology international 2023)。 本研究の目的は、脂肪の吸収を担う腸管上皮細胞に着目して、Nrf2と脂肪吸収の抑制をつなぐ分子メカニズムを解明し、Nrf2の活性化による脂肪吸収の抑制が肥満の抑制にも寄与するかを明らかにすることである。研究項目は、①腸管上皮細胞特異的にNrf2を欠損させたコンディショナルNrf2ノックアウトマウスを作成し、脂肪吸収と肥満への影響を対照の野生型マウスと比較する、②Nrf2活性化薬(バルドキソロンメチルやスルフォラファン)による脂肪吸収の抑制と抗肥満には腸管上皮細胞のNrf2を必要とするのかを検討する、③マイクロアレイを用いて腸管上皮細胞においてNrf2が発現を制御する脂肪吸収関連遺伝子を探索する、の3つである。 ①については、これまでに腸管上皮細胞特異的Nrf2欠損マウスを作成し、脂肪吸収試験による評価を実施した。今後、この遺伝子改変マウスを長期間にわたって高脂肪食下で飼育を行い、高脂肪食による肥満形成への影響を検討していく。②については昨年度から試験を開始した。③については細胞培養系をスタートさせたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腸管上皮細胞特異的Nrf2欠損マウスVill1-cre::Nrf2マウスの効率の良い繁殖が継続的に行えておらず、研究の進行に支障をきたしている。また、腸管上皮細胞の培養系の条件検討にも想定よりも時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
順調な繁殖が継続上記①、②の研究を大きく進展させることができる。これらの研究項目を通してNrf2活性化薬の脂肪吸収と肥満の抑制には腸管上皮細胞のNrf2が必要であるかを検討していきたい。また、細胞培養系の立ち上げと基礎検討を速やかに行い、マイクロアレイによる発現遺伝子解析を実施したい。
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